研究領域 | フォトクロミズムの攻究とメカニカル機能の創出 |
研究課題/領域番号 |
21021027
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
栄長 泰明 慶應義塾大学, 理工学部, 准教授 (00322066)
|
研究期間 (年度) |
2009 – 2010
|
研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
|
配分額 *注記 |
4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
2010年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2009年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
|
キーワード | 超伝導材料 / 光制御 / 界面 / フォトクロミズム / 磁性材料 |
研究概要 |
ダイヤモンドにホウ素をドープすることにより導電性を付与することができ、ホウ素濃度によりその導電性の制御も可能である。近年、非常に高濃度にホウ素をドープしたダイヤモンドが低温にて超伝導特性を示すことが報告され、注目を集めている。本研究では、この高濃度にホウ素をドープしたダイヤモンドの界面に注目し、その終端化学種を制御することで超伝導特性の制御を試みた。最終的にはフォトクロミック分子を修飾することによる可逆的な光制御が目的であるが、初めに、水素終端と酸素終端における特性について調べた。 作製した水素終端ダイヤモンド薄膜には、マイスナー効果が観測された。さらに、このダイヤモンド薄膜を0.1M硫酸中にて陽極酸化を行った。水の接触角を測定したところ、水素終端ダイヤモンド薄膜で約97度であったのに対し、酸化後は約21°まで減少し、表面が酸素終端化したことがわかる。 この酸化処理後のダイヤモンド薄膜の磁化測定を行ったところ、反磁性磁化の増大が観測された。これは粒界のピンニング特性の変化によるものであると考えられる。終端変化により誘起された双極子によってダイヤモンド表面でのキャリアが増加し、粒界を透過できる電流密度が上昇した結果、水素終端ではピンニングされていた磁束が排除されるようになり、反磁性磁化が増大したものと考えられる。このことから、アゾベンゼン化合物などのフォトクロミック分子を表面修飾することにより、超伝導の反磁性磁化を可逆に光制御できる可能性が示唆された。
|