研究領域 | ハイドロジェノミクス:高次水素機能による革新的材料・デバイス・反応プロセスの創成 |
研究課題/領域番号 |
21H00017
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山田 鉄兵 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (10404071)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 電気化学ペルチェ効果 / 熱電変換 / 熱化学電池 / PCET / 電気化学ペルチェ素子 / バナジウム / プロトン共役電子移動 |
研究開始時の研究の概要 |
本申請では大きなプロトンの溶媒和エントロピーを熱化学電池の逆反応である電気化学ペルチェ効果に用い、全く新しい電子冷却素子の構築を目指す。電気化学ペルチェ効果とは、酸化還元活性種の溶液に電流印加することで反応エントロピーによる発熱・吸熱を生じる現象である。この電気化学ペルチェ素子にPCET反応性の化学種を用いることで、酸化還元に伴うエントロピー変化を増大し、十分に実用可能な冷却効果を実現する。
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研究実績の概要 |
近年空調のための電力使用とCO2排出は増加の一途をたどっており、その一つの解決手段として、人間の近くのみを冷却する局所冷却デバイスが求められている。本申請ではPCET型の熱化学電池の電解液を用いた電気化学ペルチェ効果の実証を目指している。 本年度は様々な熱化学電池のシステムに対して電気化学ペルチェ効果の測定を行った。これまでの電気化学ペルチェデバイスを改良し、印加した電流と得られる最大温度差が比例することを示した。またゼーベック係数が+0.35mV/Kのヨウ素系と、-1.42mV/Kの[Fe(CN)6]系とを用いると、温度差の符号が逆転し、最大冷却温度もほぼゼーベック係数に比例することが示された。第三に、冷却のメカニズムを、電気化学ペルチェ効果、ジュール熱および熱拡散によるとしてシミュレーションし、実測データとの良い一致を見ることに成功した。その結果、セル厚が大きいほど最大温度差が大きくなり、[Fe(CN)6]系では約3cm程の厚さで最大温度差が飽和することも明らかになった。 このように電気化学ペルチェデバイスの作成と効果の定量的な測定ができるようになった上で、プロトン共役電子移動反応を示すバナジウムアクア錯体を用いた測定を行った。その結果、これまでのベンチマークとなっている[Fe(CN)6]系よりも大きな最大温度差が得られることがわかった。これは、外部引加電流によりバナジウム錯体が酸化還元を受け、それに伴って行われるプロトンの授受が潜熱として冷却に寄与したためと考えられる。 以上より、電気化学ペルチェデバイスの実証と、PCETを用いることで最大の冷却効果が生じることの実証に成功した。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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