研究領域 | 時間生成学―時を生み出すこころの仕組み |
研究課題/領域番号 |
21H00314
|
研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
複合領域
|
研究機関 | 国立研究開発法人情報通信研究機構 |
研究代表者 |
羽倉 信宏 国立研究開発法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所脳情報通信融合研究センター, 主任研究員 (80505983)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
|
キーワード | 知覚意思決定 / 運動学習 / 記憶 / 文脈 / 運動準備 / ECoG / 周期性 / 運動の記憶 / 脳活動 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、運動準備期には未来の行動の候補となる運動内容が周期的に出現し、実行直前に準備されていた運動内容が未来の運動を決定するという仮説をたてる。そして、ヒトの運動準備時の脳活動から「運動準備内容」を解読することで、この仮説を検証する。具体的には、脳磁図(MEG)や硬膜下皮質表面電位(ECoG)などの時間解像度の高い脳活動情報をヒトから取得し、解析することで、運動準備内容が時間とともに変化するその動的特性を明らかにする。
|
研究実績の概要 |
本研究は、未来の運動内容が脳内の運動準備状態においてどのように表現されているのかを調査するものである。本年度は、全く軌道の同じ運動であっても、未来に実行する運動の不確実性に応じて異なる運動の記憶が生成されていることを突き止め、論文化・投稿した。被験者は点の集合が左右のどちらに動いているかを判断し、その動いている方向のターゲットに向かってロボットハンドを動かした。ロボットの動きには外乱が加えられ、被験者は外乱下でまっすぐに手を動かすことを学習した。 通常、手の動きに異なる2つの外乱のパターンが加えられる場合、被験者はその外乱に対応することができない。しかし、判断する点集合の不確実性(手を動かす方向の不確実性)に対し異なる外乱を連合すると、被験者は2つの外乱を同時に学習できることが明らかになった。これは、未来の運動の不確実性が運動の記憶の「文脈」になっていることを意味する。さらなる実験により、1)視覚的に与えられる点集合そのものの不確実性でなく、「未来の運動選択肢」の不確実性が文脈になっていること、2)脳活動のパターンが未来の運動の不確実性に応じて変化する計算論モデルで結果が良く説明できること、が明らかになった。 これまで、運動の記憶についての「文脈」は運動そのものに直接的に関連するものが同定されてきた。本研究は、現在の運動そのものには直接関係なくても、未来の状態、さらには未来の不確実性という、一見高次の文脈が現在の運動を規定する、という新規な発見であると言える。
|
現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|