研究領域 | 不均一環境変動に対する植物のレジリエンスを支える多層的情報統御の分子機構 |
研究課題/領域番号 |
21H05652
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅲ)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大谷 美沙都 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (60435633)
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研究期間 (年度) |
2021-09-10 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
9,360千円 (直接経費: 7,200千円、間接経費: 2,160千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | pre-mRNAスプライシング / 葉緑体シグナル / 側根形成 / プラスチド / 側根 |
研究開始時の研究の概要 |
みずから動くことの出来ない植物は、つねに変動する環境因子を感知し、環境条件に合わせて形態や機能を調節している。私たちはこれまで、植物の温度や光に依存した形態形成には、pre-mRNAスプライシング制御が重要であることを明らかにしてきた。本研究ではその中でも側根の形態形成に焦点を当て、地上部が受容する環境情報がどのように地下部器官の形態形成を制御するのか、葉緑体シグナルとpre-mRNAスプライシングに注目しながら、その詳細を明らかにする。これによって、植物がRNA代謝制御を介して不均一な環境条件を形態形成に反映させ、レジリエンスを発揮させる分子メカニズムの理解を目指す
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研究実績の概要 |
側根形態形成における pre-mRNA スプライシングの役割について知見を得るため、葉緑体機能をスペクチノマイシンで阻害した主根断片サンプルから全RNAを抽出し、RNA-seq解析を行った。その結果、ストレス応答関係遺伝子において発現上昇とスプライシングパターン変化が検出された。この中には植物ホルモン関係遺伝子が含まれており、スプライシング制御が植物ホルモンシグナリングを介して側根形態に影響する可能性が示された。また、温度、光、葉緑体機能阻害、といった条件を変化させて側根形態を調べた結果、さまざまな刺激によって側根幅の拡大が起こることがわかり、高温下では他の条件に関係なく側根幅が変化する様子が確認された。その一方、側根長は光および温度条件に関係なく、葉緑体阻害剤処理によって短くなった。以上から、植物はさまざまな環境因子の条件に対応して、側根形態を作り分けていると考えられた。 さらに、葉緑体レトログレードシグナルであるヘムシグナルの制御異常変異体genomes uncoupled 1 (gun1)と野生型を組み合わせた接ぎ木実験から、側根形態制御に重要なのは地上部ヘムシグナルであることを示された。さらにpre-mRNAスプライシング異常変異体であるshoot redifferentiation defective 2 (srd2) と野生型の接ぎ木実験を行ったところ、地上部におけるスプライシング制御が、ヘムシグナルを介した側根形態制御に重要であることが明らかとなった。 以上、本研究を通して、植物が地上部の環境に合わせて地下部の形態を積極的に制御していること、この側根形態制御には、pre-mRNAスプライシング制御が積極的な役割を果たしており、地上部におけるヘムシグナリングを介した動的スプライシング制御が植物ホルモン制御を通して側根形態を変化させること、が示唆された。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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