公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
ニワトリやウズラなどの家禽の輸卵管の下部には射精後の精子を貯蔵する精子貯蔵管(Sperm storage tubules: SST)が存在する。SSTに侵入した精子は運動を停止し、長期間受精能を維持したまま貯蔵され、排卵周期に伴う血中プロゲステロン濃度の上昇によってSSTから放出される。しかし、射出された精子がいかにしてSSTに侵入するのかについては明らかでない。本研究では、精子とともに雌性生殖道に輸送される精漿およびクロアカ腺分泌物の役割を解析した。単離したUVJにクロアカ腺分泌物または精漿を添加してインキュベートした所、SSTの入り口が拡張することがわかった。また、同様の形態変化がPGF2aの添加によっても起こった。クロアカ腺分泌物または精漿を膣内に注入しても同様にSSTの入り口が拡張することがわかった。輸卵管におけるPGF2a-Rの発現を解析した所、PGF2a-Rは調べた輸卵管のすべての部位で発現していることがわかった。また、放卵周期中のUVJにおける発現を解析した所、放卵周期のいずれの時期でもPGF2a-Rの発現が認められた。以上のことから、精漿およびクロアカ腺分泌物に含まれるPGF2aが膣内に輸送されると、UVJのPGF2a-Rに結合し、SSTの入り口を拡張させ、精子のSSTへの侵入を補助する可能性が示唆された。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Reproduction
巻: Vol.471 号: 2 ページ: 167-178
10.1530/rep-13-0439
J Reprod Dev
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