公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
本年度はリーリンが大脳皮質形成時に作用するメカニズムを明らかにする手掛かりとして、胎生期脳の各発生ステージにおけるリーリン受容体の発現を詳細に解析した。受容体VLDLRの発現は脳表層にある辺縁帯に限局してみられた。VLDLRの細胞内局在をGFP標識したニューロンの免疫染色によって解析したところ、脳表に到達したニューロンの樹状突起上にシグナルが見られた。さらにタグを付けた外来性のVLDLRを発現させると、樹状突起の遠位側への限局した局在がみられた。VLDLRには複数のスプライシングバリアントフォームが存在し、O結合型糖鎖修飾部位を有するものと有しないものがあるが、これらにタグを付けて脳で発現させたところ、糖鎖修飾部位を有するバリアントのみが樹状突起の遠位部分へ局在することを見いだした。これらの結果は、VLDLRの翻訳後の糖鎖修飾が大脳皮質形成過程に重要であることを示している。一方、受容体ApoER2は脳室下帯に強く発現し、さらに辺縁帯にも発現がみられた。脳室下帯での発現は多極性細胞の細胞体と突起に局在していた。またApoER2とVLDLRの辺縁帯での局在を二重染色により観察したところ、重複して見られるシグナルと個別のシグナルが認められた。これらの結果から2つのリーリン受容体は異なる分布と細胞内局在を示し、個別の機能を有することが示唆された。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件)
Neurosci. Res.
巻: 印刷中 ページ: 30-36
10.1016/j.neures.2014.12.013
J. Comp. Neurol
巻: 523(3) 号: 3 ページ: 463-78
10.1002/cne.23691