公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
平成27年度は、光周波数コム(以下光コム)の光を赤外線高分散分光器に入射させ、スペクトルがどこまで延びているか、また安定性の確認実験を行った。赤外線を検出するために分光器内部を冷却した状態で初めて、光コムのスペクトルを取得することができた。コム発生波長は概ね1040-1750nmで確認することができたが、より短波長側は検出器感度不足により確認することはできなかった。また安定性確認のために、周波数シフターを用いて光コム周波数を数m/sシフトさせ、これを分光器で検出する実験を行った。しかし冷却した分光器の温度不安定性により、光コムと分光器の安定性を分離し定量的に評価することが難しいことがわかった。一方、光コム単体での安定性は、約0.2MHz(約0.2m/s)を確認しており、地球型惑星発見に必要な1m/sには十分な精度であることがわかっている。次に、光コム強度は波長に強く依存することがわかっていたが、これを低減するために、色ガラスフィルターを組み合わせることで、全波長域に渡って約15dB程度の強度平坦性を達成することができた。目標の10dBにはまだ到達していないが、スペクトルは分光器検出器の複数のピクセルにわたって分布するため、それらを合算することで検出器のダイナミックレンジを疑似的に向上させることが可能であり、15dBの平坦性でも観測には問題ない。視線速度測定精度を制限する要因の一つに、モーダルノイズがある。光コムは単色性が強いため、モーダルノイズが大きく出やすいという問題があるが、回転すりガラスや、コムを通したファイバーを動的に動かし続ける、などのスクランブラーと呼ばれる手法を用いることで、モーダルノイズを非常に小さく抑えることができた。目標である1m/sの安定性には到達していないが、全ての波長の光を用いることで、目標精度を達成できると思われる。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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光技術コンタクト
巻: 53 ページ: 32-41
Proceedings of the SPIE 2014
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10.1117/12.2055075
レーザー研究
巻: 42 ページ: 706-710
130007897532