研究領域 | 高次複合光応答分子システムの開拓と学理の構築 |
研究課題/領域番号 |
15K21725
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
宮坂 博 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (40182000)
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研究分担者 |
河合 壯 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 教授 (40221197)
阿部 二朗 青山学院大学, 理工学部, 教授 (70211703)
松田 建児 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80262145)
内田 欣吾 龍谷大学, 理工学部, 教授 (70213436)
重田 育照 筑波大学, 数理物質科学研究科(系), 教授 (80376483)
玉井 尚登 関西学院大学, 理工学部, 教授 (60163664)
前田 大光 立命館大学, 薬学部, 教授 (80388115)
横山 泰 横浜国立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60134897)
朝日 剛 愛媛大学, 理工学研究科, 教授 (20243165)
井村 考平 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (80342632)
小畠 誠也 大阪市立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00325507)
VACHA Martin 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (50361746)
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研究期間 (年度) |
2015-11-06 – 2019-03-31
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キーワード | 光化学 / 光機能分子材料 / 多重励起プロセス / 電子状態変調 / 禁制電子状態 / 多励起子 |
研究実績の概要 |
本新学術領の研究目標の高度化のために、国際活動支援班を27年度に設置することができ、初年度は以下の活動を行った。 国際活動支援班は、基本的には総括班のメンバーが、(1)共同研究の調査提案、(2)若手育成、(3)シンポジウムの企画運営、(4)広報活動の4点から、国際支援班においても同様の活動を行う体制を構築した。また、更に、今までの国際交流などに基づき、(A)欧米担当、(B)アジア担当のメンバーを置き、招聘あるいは派遣したい海外研究者との仲介がとりやすいよう組織を構築した。 本領域には、海外との共同研究を長年にわたり継続しているメンバーも多いが、より一層の国際共同研究を拡大するためには、広報活動も重要である。このために、初年度となる27年度にはインドで行われた国際学会に班員を派遣し(H28年1月)、本領域の紹介と国際活動支援プログラムの説明を行った。また領域代表は(H27年11月末)にフランスで行われた光機能分子系の国際共同研究組織(Phenics, 日、仏、独、中国、ロシアなどが参加)に参加し本領域の紹介と国際活動支援プログラムの説明を行った(経費は総括班として支出)。これらの結果、インドやフランスからの新たな共同研究相手を得た。また、フランスとは日仏イノベーションイヤの一環として、在日フランス大使館(東京)において、シンポジウム“日仏光化学国際研究所の設置に向けて”を計画し(H28年4月1日に実施)、国際学会で来日している若手からシニアまでの仏の研究者が約20名以上参加し(日本人、他国も併せて計40名以上)、共同研究の具体的な計画を練った。 領域内においては、広く計画班、公募班全体に、海外への派遣、招聘の公募を行い、カナダ、フランス、ベルギー、オーストラリアなどへの研究者への派遣、招聘による共同研究を実施するとともに、次年度以降の招聘、派遣の計画を立てた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
上記のように、初年度であるH27年度は、実質的にはH27年12月からの開始となったが、国際活動支援班の組織設置と実務を開始した。また、新規共同研究に向これらのけた国際広報、研究打ち合わせなどを行い、次年度以降の国際共同研究の展開を可能とする体制が、いくつは構築できた。 国際共同研究においては、短期的な成果も重要であるが 相互信頼に基づく中長期的な共同研究の継続も、重要である。このようなネットワークを介して、信頼出来る新たな共同研究相手先を探索することも可能となる。特に本領域のメンバーには、日仏間のJSPS-CNRSなどの2国間の共同研究プログラムなどの代表者、研究参画者、また、日仏間で開始し、その後、独、露、中国なども参加した国際共同研究組織(光機能分子)において長年にわたり活動してきたメンバーも多い。また個々に、ベルギー、オランダ、スペイン、ドイツなどの研究者と信頼関係のある共同研究を続けてきたメンバーも多数存在する。これらのテャンネルも用い、新たな共同研究の可能性を探索した結果、既に、上記国に加えフィンランドなどを含めて、10件程度の研究の計画が出されている。また、アジア、オセアニアにおいても、インドとは比較的多数の研究者との交流が多く、研究者の受け入れを行ってきたメンバーも多い。今年度には、オーストラリアとの共同研究がスタートするとともに、台湾、中国なども含め、10件程度の計画が提案されている。このように、国際共同研究実施については、多くの研究が効果的に継続、開始、また次年度以降に開始できる体制が整備されている。北米地域は、比較的に共同研究相手が少ないが、これは基本的に光化学研究の人口が少ないことにもよるが、今後、必要に応じてある程度の増加が期待できる。以上のように、組織設置、広報活動、また共同研究の具体的な実施や計画など、迅速に開始できた。
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今後の研究の推進方策 |
基本的な国際支援活動の組織、運営体制は初年度に構築できた。これは基本的には、既に構築されてきた国際ネットワークが存在してきたことも大きい。今後の活動としては、① これらのネットワークの拡充、② 新規ネットワークの構築を行いながら、信頼関係に基づく国際共同研究の実施を継続する。このためには、27年度に構築した運営体制を維持、拡充しながら、国際支援活動を継続する。 信頼関係のある国際共同研究が中長期にわたって継続できる仕組みを構築することも重要な視点である。このためには、既述のように、フランスとは在日フランス大使館(東京)において、シンポジウム“日仏光化学国際研究所の設置に向けて”を計画し実施するなど(H28年4月1日)、短期的な共同研究の開始・継続にとどまらず、本学術領域の終了後も継続可能なサポート体制を探ることも必用である。もちろん、国際活動支援としては、本領域の期間中の共同研究実施が主目的ではあるが、これらの活動の期間中に今後の継続体制構築も含めた方途の可能性も探りながら、今後の活動を継続する。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度においては、開始時期がH27年12月からとなったため、実際の国際共同研究の実施のための渡航、招聘の日程調整が困難となったケースが、いくつか存在する。また、既に招聘を計画していた日本側の受け入れ者が所属機関を移動したため、研究室の立ち上げと重なるため、次年度に計画を繰り越したケースも存在する。 また、初年度に国際活動の共同備品として購入を予定していた光源が、上記研究計画の変更のため、購入を延期した。
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次年度使用額の使用計画 |
既述の通り、H27年度に実施予定であった招聘、派遣の計画はH28年度に実施を行う予定が、既に完了している。これらに併せて、H28年度に開始する国際共同研究の申請も多数受理している。初年度に国際活動の共同備品として購入を予定していた物品については、これらの共同研究の計画を勘案し、購入を予定している。
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