研究領域 | ナノスピン変換科学 |
研究課題/領域番号 |
15K21752
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大谷 義近 東京大学, 物性研究所, 教授 (60245610)
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研究期間 (年度) |
2015-11-06 – 2019-03-31
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キーワード | スピン変換国際拠点形成 / 人材育成 / 若手育成 / 国際会議 |
研究実績の概要 |
スピン変換科学では、スピンを媒介として生じるスピン変換現象を総論的観点から理解する学理の構築を本領域全体の目標としている。異分野の研究者が参画していることから、新奇な融合異分野研究領域を創造し先導することが期待されている。このことを考慮してナノスピン変換科学に関する若手中心の国際共同研究を行うことで、我が国のスピン変換研究拠点・教育拠点を国際拠点へ成長させ、我が国の科学力の発展に貢献する優秀な若手科学者を育成することを目的とする。 平成28年度は計画通り国際的な若手育成スクールの開催を進めるた。8月8日から11日までの期間チュートリアルセッションを含む第9回 International Conference on Physics and Applications of Spin in Solids (PASPS 9)を共同開催した。この国際会議は、本スピン変換科学の光学的スピン変換班班長の大岩がコンファレンスチェアーを務め、大変盛況であった。また、アジア圏の大学院生と若手研究者育成を目的とする国際スピントロニクスおよびスピンオービトロニクス国際スクールを12月16日,17日に開催した。これにより、スピン変換科学の世界に向けた情報発信を行い、次の研究ステージを担う若手研究者の育成の一助となった。 新規に連携する共同研究先と一層の研究者交流を含むスピン変換研究を遂行して、スピン変換研究拠点形成の円滑な推進を目的として共同研究をベースとした英国・Leeds大とドイツ・Walther Meissner Instituteの2件の国際インターシッププログラムを遂行した。 さらに、異分野融合を目的としてスピン変換と量子スピンダイナミクスに関する国際会議を理研創発物性科学研究センタ―と共同開催した。4日間の開催期間で200名以上の参加者に恵まれた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概要にも記したように、国際インターンシップ、国際会議やスクールの開催など、計画通り国際活動を遂行している。H29年3月の年次成果報告会には、国際ゲスト講演者として東北大学金研のJoseph Barker助教を招き、第1原理計算を考慮したスピンダイナミクス計算についての英語の講演など、若手の教育を意識したプログラムも遂行している。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は小規模な国際スクールや研究会を開催し、活発な議論の場を作ることを主眼に置き、研究者交流含むスピン変換研究を遂行する。スピン変換研究拠点形成を加速させる方策を講じる。また昨年同様に共同研究をベースとした国際インターシップ制度をさらに充実させて国際共同研究を拡充する努力をする。特に派遣だけではなくインターンシップや共同研究の一部として外国人若手研究者を受け入れて共同研究を展開する。本研究領域の国内外の認知度の向上、世界的な共同研究ネットワーク形成や異分野融合を目的としてスピン変換に関する研究分野で国際的に著名な研究者を招き話題を厳選した国際研究会を計画している。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度は、国際的なスピン変換研究拠点を形成するためのより一層の人的交流を通じた共同研究を遂行した。具体的には大学院生や若手研究者の招へい・あるいは派遣を年間で最低5件ほど遂行する予定であったが、予定通りの遂行ができなかったために、次年度使用額が生じてしまった。
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次年度使用額の使用計画 |
今後の方策にも記したように、国内外のスピントロニクスコミュニティーとの有機的な連携を考慮した研究会を開催することにより、共同研究の芽を育てる工夫をする。本研究領域の国際的な認知度の向上、異分野融合、世界的なネットワーク形成を目的とした国際ワークショップを開催する。 以上の経費および本活動支援班の共同研究支援を行う博士研究員の給与に充てたい。
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