スピン変換科学には多くの異分野の研究者が参画していることから、新奇な融合異分野研究領域を創造し先導することが期待されている。このため、ナノスピン変換科学に関する若手中心の国際共同研究を行い、我が国のスピン変換研究・教育拠点を国際拠点へ成長させることを目的とする。 最終年度である本年度は、全体的な成果の取りまとめと世界的な情報発信を意識して、国際インターンシップ、国際会議やスクールの開催など、計画通り国際活動を遂行した。 国際会議については、ヨーロッパのスピントロニクス研究者と2018年11月22日One-Day Symposium on Spintronic Properties of Graphene and Related 2D Materialsおよび東大物性研究所と共同企画した国際会議Topological Phases and Functionality of Correlated Electron Systems 2019 (TPFC 2019)を開催した。また本年度も、日韓およびアジア圏の大学院生と若手研究者育成を目的とする国際スピントロニクスワークショップを2019年1月20日~21日に名古屋大学で開催した。スピン変換研究拠点形成の円滑な推進を目的として共同研究をベースとして、国外はスイスのチューリッヒ工科大学1名とスイス連邦工科大学ローザンヌ校1名、国内は理化学研究所1名のインターンシップを行った。 さらに本新学術ナノスピン変換科学研究の主要研究協力者の小野輝男、熱・機械的スピン変換班班長の齊藤英治に引き続き代表大谷義近がIEEE Distinguished Lecturerに選出されたことから、2018年1月より本ナノスピン変換科学新学術領域研究で得られた成果を世界に発信する世界講演旅行を展開した。この役は、2018年4月から12月まで引き続き継続して、世界的なスピン変換科学の世界に向けた情報発信を行い、次の研究ステージを担う若手研究者の育成及び勧誘を行った。
|