研究領域 | 「意志動力学(ウィルダイナミクス)の創成と推進」に関する総合的研究 |
研究課題/領域番号 |
16H06400
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
桜井 武 筑波大学, 医学医療系, 教授 (60251055)
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研究分担者 |
田中 あゆみ 同志社大学, 心理学部, 教授 (00373085)
尾内 康臣 浜松医科大学, 光尖端医学教育研究センター, 教授 (40436978)
征矢 英昭 筑波大学, 体育系, 教授 (50221346)
杉原 玄一 京都大学, 医学研究科, 助教 (70402261)
加藤 隆弘 九州大学, 大学病院, 講師 (70546465)
井上 浩一 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (80345818)
浅川 明弘 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (10452947)
鈴木 高志 高知工科大学, 共通教育教室, 准教授 (90725938)
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研究期間 (年度) |
2016-06-30 – 2021-03-31
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キーワード | 意志力 / 実行系 / 覚醒 / 報酬系 |
研究実績の概要 |
創造的で活力あふれる生活を送るには、困難を乗り切り、目標に向かって努力する力=意志力(ウィルパワー)の高さが不可欠である。一方、青少年における「やる気」「モチベーション」の減退およびそれらと障害の基盤を共有すると思われる摂食障害、気分障害、アパシー、ひきこもり、適応障害、現代抑うつ症候群(新型うつ病)などの罹患者の増加への対処が、未曾有の少子高齢化に見舞われるわが国の社会福祉政策の喫緊の課題となっている。本領域では、意志力という精神機能に対する社会環境・体内環境の影響を解明し、その動的平衡のパラメーターとなる環境因、脳内分子を探索する一方、それらを制御し意志力を育むための支援の方策を確立することを狙いとする。意志力の神経基盤を理解するとともに、スポーツや教育による支援の方策を検討するために、神経科学、精神医学、内科学、教育心理学、スポーツ科学の研究者が緊密に連携する分野間横断研究を推進する。総括班においては、上記のような学際的・融合研究を推進するための総合的なサポートを行った。具体的には、マウスの睡眠・覚醒解析支援、超解像レーザー顕微鏡、体内時計機能解析を中心とした研究支援活動を行ったほか、脳機能画像解析や電子顕微鏡による超微携帯解析ワークショップなどの技術支援を行った。また、若手・女性研究者のサポートを行い、若手主催の研究集会を行うほか、領域内の共同研究を促進し、若手研究者を支援ため、若手研究者の滞在支援をおこなったほか、成果発表会やシンポジウムを開催して領域内外の交流・情報交換を通して各研究グループの研究推進をサポートした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本領域をサポートするための総括班活動として本年度内にさまざまな活動を遂行してきた。研究支援活動としては、マウスの睡眠・覚醒解析支援を3件、超解像レーザー顕微鏡をもちいたコネクトーム解析を2件行った。また人工知能・脳機能イメージングセミナー(7/4名古屋市立大学)、「心理学系研究交流会」(9/28高知工科大学)を領域主催で開催したほか、resting-state fMRIを用いたfuncitonal connectivity解析入門・解析(9/30京都大学)のほか、Olga Pollatosky教授による失感情症に関する講演会(10/10慶應大学)、NIRSワークショップ(1/15鹿児島大学)、心理検査ワークショップ(1/23鹿児島大学)、電気生理学ワークショップ(3/12および3/18筑波大学)、統計ワークショップ(4/3同志社大)などの技術支援ワークショップを行った。また12月12日、次世代脳冬のシンポジウムにおいて、適応回路シフトおよび意志動力学領域の若手メンバーによるシンポジウムを共同開催したほか、12月21日には筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構との共催による国際シンポジウムを開催した。アウトリーチ活動では、ニュースレターを2号発行したほか、ホームページ、フェイスブックページの充実に加え、「中高生のためのモチベーション講座認知神経科学編(11/3同志社大学)を開催した。また研究成果の発表会、交流の場として成果発表会(秋葉原UDXカンファレンス2/8)をおこなった。以上のように概ね計画通り活動を行った。
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今後の研究の推進方策 |
研究支援活動として、マウスの睡眠・覚醒解析支援、超解像レーザー顕微鏡によるコネクトーム解析支援、体内時計機能解析を行うほか、脳機能画像解析や電子顕微鏡による超微携帯解析、電気生理学の技術支援を計画している。また、若手・女性研究者のサポートを行い、若手主催の研究集会を行うほか、領域内の共同研究を促進し、若手研究者の滞在支援を行う。また、全体発表会のほか、12月には国際会議の共同開催を計画している。またアウトリーチ活動のため、2-3回の市民公開講座を解説する予定である。その他、ニュースレターの発行、ホームページの充実を含めたアウトリーチ活動を行う。
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