• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実績報告書

複雑系細胞クロストークに基づく間質リテラシーの確立

総括班

研究領域間質リテラシ―:間質の細胞多様性に基づく疾患メカニズムの統合的理解
研究課題/領域番号 22H05060
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

佐藤 荘  東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (60619716)

研究分担者 内藤 尚道  金沢大学, 医学系, 教授 (30570676)
石亀 晴道  国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, 上級研究員 (70729227)
伊藤 美菜子  九州大学, 生体防御医学研究所, 准教授 (70793115)
七野 成之  東京理科大学, 研究推進機構生命医科学研究所, 講師 (70822435)
尾松 芳樹  大阪大学, 大学院生命機能研究科, 准教授 (80437277)
増田 隆博  九州大学, 薬学研究院, 准教授 (80615287)
田井 育江  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (90749508)
研究期間 (年度) 2022-05-20 – 2025-03-31
キーワード間質リテラシー / 間質と実質 / 肺線維症 / 大腸炎
研究実績の概要

私達が健康長寿を達成するためには、感染症、自己免疫疾患、がん、繊維症、炎症、メタボリックシンドローム等の様々な疾患に対する個々の治療・予防法を確立する必要がある。しかし、これらの多くの疾患発症・増悪メカニズムの全貌は未だ明らかになっていない。病態の発症や進行過程の中で、これまでは臓器の実質とその空間に存在する細胞の研究が主体となってきた。今回申請者らは実質主体の学術体系を転換し、間質に焦点を当て、病態の変化と共に間質にどのような細胞集団が出入りしてどの細胞同士がクロストークを取り合っているか、また間質における様々な細胞や間質性細胞間クロストーク実質機能にどのように影響しているのかを包括的に理解することを目的とした。
今年度はこれまでにCDA-HFDを用いた肝臓疾患モデルマウスとDSSを用いた大腸炎疾患モデルマウスのシングルセル解析を行っており、病態悪化に伴って変化する細胞のパターン解析をシングルセル解析やRNA-seq解析を行っている。顕著に割合が変化する細胞における発現をバイオインフォマティクスにて解析したところ、それぞれの疾患の病態悪化に伴って発現が変化する遺伝子をいくつか同定した。遺伝子改変動物支援実験センターにてこれらの遺伝子欠(KOマウス)を作製し、これらのKOマウスと野生型の疾患モデルマウスを比較解析した。さらに病巣を取り出してシングルセル解析やRNA-seq解析を行った。
その際シングルセル解析やバイオインフォマティクス解析、動物作成支援を本総括班で担当した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

目的達成のために、本総括班は4つの解析センター(間質探索センター、シングルセルセンター、細胞間クロストークを紐解くバイオインフォマティクスセンター、遺伝子改変動物実験センター)を設置しており、今年度は昨年佐藤班が行ったシングルセル解析後のバイオインフォマティクス解析のデータを基に遺伝子改変動物実験センターにて作製した遺伝子欠損マウスを使用した解析を行った。これらの遺伝子欠損マウスを基に疾患モデルマウスを作製し、病態増悪の比較や病巣のシングルセル解析、RNA-seq解析を行った。初年度から各解析センターと連携した研究推進を行うことができている。

今後の研究の推進方策

前年度に引き続き、新規に作成した遺伝子欠損マウスを基にした疾患モデルマウスを総括班内のイメージングセンターでMRIを行い、間質と実質での変化を解析する。これらのデータを各計画班と共有し、間質の状態が大きく変化している病巣での細胞の変化をシングルセル解析やRNA-seq解析を行い、バイオインフォマティクス解析を通して細胞間、細胞ー間質間のクロストークを深化する。4つの解析センターと協力して解析することにより、研究・解析を加速する。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 3件)

  • [雑誌論文] Expression of the readthrough transcript CiDRE in alveolar macrophages boosts SARS-CoV-2 susceptibility and promotes COVID-19 severity2023

    • 著者名/発表者名
      Yuichi M, Tatsuya S, Kanako K, Jun I, Kensuke Y, Mariko K, Junya W, Mio E, Songling L, Tsukasa K, Seiya O, Tadashi H, Kentaro M, Yujiro N, Shohei K, Nobuo S, Daron M S, Jay W S, Shizuo A, Shinsuke Y, Yasunari M, Yuta K, Atsushi K, Toru O, Takashi S.
    • 雑誌名

      immunity

      巻: 8;56 ページ: 1939-1954

    • DOI

      10.1016/j.immuni.2023.06.013.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Regnase-1 downregulation promotes pancreatic cancer through myeloid-derived suppressor cellmediated evasion of anticancer immunity2023

    • 著者名/発表者名
      Okabe J, Kodama T, Sato Y, Shigeno S, Matsumae T, Daiku K, Sato K, Yoshioka T, Shigekawa M, Higashiguchi M, Kobayashi S, Hikita H, Tatsumi T, Okamoto T, Satoh T, Eguchi H, Akira S, Takehara T.
    • 雑誌名

      J Exp Clin Cancer Res

      巻: 9;42 ページ: 262

    • DOI

      10.1186/s13046-023-02831-w.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Apple-shaped obesity: A risky soil for cytokine-accelerated severity in COVID-192023

    • 著者名/発表者名
      Hosoya T, Oba S, Komiya T, Kawata D, Kamiya M, Iwai H, Miyamoto S, Kataoka M, Tobiume M, Kanno T, Ainai A, Sato H, Hirakawa A, Mitsui Y, Satoh T, Wakabayashi K, Yamada T, Otomo Y, Miyazaki Y, Hasegawa H, Suzuki T, Yasuda S
    • 雑誌名

      Proc Natl Sci USA

      巻: 120 ページ: e2300155120

    • DOI

      10.1073/pnas.2300155120.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] TDAG51 promotes transcription factor FoxO1 activity during LPS-induced inflammatory responses2023

    • 著者名/発表者名
      Park ES, Jeon H, Lee N, Yu J, Park HW, Satoh T, Akira S, Furuyama T, Lee CH, Choi JS, Rho J
    • 雑誌名

      The EMBO Journal

      巻: 120 ページ: e111867

    • DOI

      10.15252/embj.2022111867

    • 査読あり
  • [学会発表] 疾患特異的マクロファージの機能的多様性2023

    • 著者名/発表者名
      佐藤荘
    • 学会等名
      第121回日本消化器病学会九州支部例会・第115回日本消化器内視鏡学会九州支部例会
    • 招待講演
  • [学会発表] マクロファージと構造細胞による炎症ダイナミクス2023

    • 著者名/発表者名
      佐藤荘
    • 学会等名
      第44回日本炎症・再生医学会総会
    • 招待講演
  • [学会発表] 疾患特異的マクロファージの機能的多様性2023

    • 著者名/発表者名
      佐藤荘
    • 学会等名
      第96回生化学会シンポジウム
    • 招待講演

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi