計画研究
霊長類、げっ歯類モデルでの脳深部振動と運動制御に関して、以下の研究を行った。大脳皮質から大脳基底核への情報処理について、体部位も含めた一次運動野、補足運動野からの投射について、サルを用いて電気生理学的手法を用いて調べた。その結果、一次運動野からは視床下核の外側部に、補足運動野からは内側部に投射があることがわかった。また、一次運動野の口腔顔面、上肢、下肢からは視床下核の外側部の外側から内側にかけて順に投射があり、補足運動野の口腔顔面、上肢、下肢からは視床下核の内側部の内側から外側にかけて順に投射があることがわかった。淡蒼球外節、内節に関しては、一次運動野からは後方に、補足運動野からは前方に投射があることがわかった。また、一次運動野、補足運動野の口腔顔面、上肢、下肢からは、淡蒼球外節、内節の腹側から背側にかけて順に投射があることがわかった。次に、このような投射様式の詳細について、チャネルロドプシンが大脳皮質の興奮性細胞に発現している遺伝子改変マウスを用いて調べた。大脳皮質を白色スポット光で刺激すると、淡蒼球外節、内節ニューロンは、興奮―抑制―興奮の3相性の応答を示す。大脳皮質の刺激部位を順にずらすことによって、どの大脳皮質部位からどのような入力を受けているのか調べることができる。その結果、大脳皮質の広い領域からは興奮性の、その中心の狭い領域からは抑制性の入力が淡蒼球外節、内節にあることがわかった。このような広い興奮、狭い抑制という投射パターンが、大脳皮質―大脳基底核の情報処理の基本である可能性が示された。
2: おおむね順調に進展している
霊長類モデル、げっ歯類モデルを使った研究が順調に進んでいる。
これらの成果を論文などにおいて発表することを第一におく。また、パーキンソン病やジストニアなどの疾患モデルの解析にも取り組む。
すべて 2016 2015 その他
すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (24件) (うち国際学会 5件、 招待講演 9件) 備考 (2件)
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