海陸機動的観測に基づくスロー地震発生様式の解明

2021 年度 研究成果報告書

• 研究領域: スロー地震学
• 研究課題/領域番号: 16H06473
• 研究種目: 新学術領域研究(研究領域提案型)
• 配分区分: 補助金
• 審査区分: 理工系
• 研究機関: 東京大学
• 研究代表者: 小原 一成 東京大学, 地震研究所, 教授 (40462501)
• 研究分担者: 浅野 陽一 国立研究開発法人防災科学技術研究所, 地震津波火山ネットワークセンター, 主任研究員 (00399362) ; 田中 佐千子 国立研究開発法人防災科学技術研究所, 地震津波火山ネットワークセンター, 主任研究員 (30551535) ; 中村 衛 琉球大学, 理学部, 教授 (60295293) ; 内田 直希 東北大学, 理学研究科, 准教授 (80374908) ; 宮澤 理稔 京都大学, 防災研究所, 准教授 (80402931) ; 山下 裕亮 京都大学, 防災研究所, 助教 (80725052) ; 篠原 雅尚 東京大学, 地震研究所, 教授 (90242172)
• 研究期間 (年度): 2016-06-30 – 2021-03-31
• キーワード: スロー地震 / 低周波微動 / 超低周波地震 / スロースリップイベント / 小繰り返し地震 / 沈み込み帯

研究成果の概要

2000年代に入ってから急速に知見が積み重なってきたスロー地震の全体像を理解するため、新しいデータ解析方法などを駆使して、超低周波地震、低周波微動、スロースリップイベント及び小繰り返し地震の発生状況や相互作用、あるいはそれらと巨大地震の関連について解明を進めてきた。これらの現象について詳しい全体像が見えてくるにつれ、その空間的、時間的な不均質性がより明瞭になってきた。それはプレート境界の不均質な構造や物性を反映する指標であるとともに、巨大地震の切迫度と関連している可能性も見えてきた。

自由記述の分野

地震波モニタリング・スロー地震学

研究成果の学術的意義や社会的意義

浅部スロー地震、深部スロー地震、及び小繰り返し地震を対象とし、定常観測データに加え海陸に展開した機動観測から得られるデータも用いて、スロー地震を構成する各現象の発生様式や相互作用の解明を進めた結果、スロー地震の系統的な描像が明らかとなったとともに、そのうえでスロー地震の多様性や不均質性が明確となった。さらに、スロー地震の発生環境との比較やモデル化に関する研究が大きく進展し、スロー地震に対するこれまでの断片的な理解から、スロー地震全体像の理解へと深化した。