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2021 年度 実績報告書

ケイ素-ケイ素結合の特性を利用した外部応答性ソフトクリスタルの開発

計画研究

研究領域ソフトクリスタル:高秩序で柔軟な応答系の学理と光機能
研究課題/領域番号 17H06369
研究機関東京大学

研究代表者

山野井 慶徳  東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (20342636)

研究期間 (年度) 2017-06-30 – 2022-03-31
キーワードジシラン結合 / 外部刺激応答性 / CP/MAS NMR
研究実績の概要

Si-Si σ結合はC=C π結合と類似の反応性や物性を示す。本研究グループではこの現象を「無機化学における共役」と呼んでいるが、Si-Si σ結合の柔軟性や芳香族置換基とのσ-π共役を活用し、様々なジシラン架橋マクロサイクルの合成、構造、光物性などについて検討している。これまでに、温度や力学的刺激で構造と光物性が変化する芳香族ジシラン、オリゴシランを報告している。これらの構造確認はXRD程度しか知られていない。
ここでは、固体 13C 及び 15N 核磁気共鳴 (NMR) 分光法を使用して、外部刺激応答性を示すジシラン類を調査した。自然界に存在する13Cや15Nの量は低く、標識化しないと固体状態での高分解能NMR測定は難しいとされていた。ここでは、高性能CP/MAS NMRの装置を活用することで標識化することなく測定することに成功した。特に窒素を含む分子の中でジメチルアクリダン基のバタフライ型、平面型の2つの配座異性体の違いが15Nの化学シフトの違いによって明確に観察された。具体的には、-270 ppmはバタフライ型、-274ppmは平面型の構造に帰属できた(ニトロメタンの15Nを0 ppmとした)。この結果は、各異性体の15N NMR 化学シフトに関する量子化学計算によって裏付けられた。 本手法は、粉末サンプルをすりつぶすことで引き起こされる構造変化を明確に識別することができる。
この構造変化は、従来までのPXRD測定を使用して決定することは困難である。本手法はすりつぶし、加熱の前後の、構造変化、発光挙動の変化、固体NMRにおける化学シフト、量子科学計算を結びつけて説明できる有用な知見である。

現在までの達成度 (段落)

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件)

  • [雑誌論文] Reversible Transition between Discrete and 1D Infinite Architectures: a Temperature-Responsive Cu(I) Complex with a Flexible Disilane-bridged Bis(pyridine) Ligand2023

    • 著者名/発表者名
      Zhao, Y.; Nakae, T.; Takeya, S.; Hattori, M.; Saito, D.; Kato, M.; Ohmasa, Y.; Sato, S.; Yamamuro, O.; Galica, T.; Nishibori, E.; Kobayashi, S.; Seki, T.; Yamada, T.; Yamanoi, Y.*
    • 雑誌名

      Chem. Eur. J.

      巻: 29 ページ: in press

    • DOI

      10.1002/chem.202204002

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] 15N CP/MAS NMR as a Tool for the Mechanistic Study of Mechanical Stimuli-Responsive Materials: Evidence for the Conformational Change of an Emissive Dimethylacridane Derivative2023

    • 著者名/発表者名
      Nakae, T.; Hattori, M.; Yamanoi, Y.
    • 雑誌名

      ACS Omega

      巻: 8 ページ: 12922-12927

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2023-12-25  

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