計画研究
平成22年度の成果は、以下のようである。1.フォトクロミズムによって生じる二つの安定な異性体が共に可視部に吸収を持たず、紫外部の光でフォトクロミズムを起こす系を創出した。この系は、シクロペンタノンのアルドール縮合で生じるシクロペンチリデンシクロペンタノンのカルボニル基と、2,4-ジメチル-5-アセチルチアゾールのクロスマクマリーカップリングで簡便に合成できることも特徴である。2.平成21年度に本研究で合成したビスアリールインデノンのアセタールが、分子内CH-N相互作用によって配座が固定されて大きな光環化量子収率を示したので、さらに大きな相互作用を示すOH-Nを有する、インデノールの系をインデノンから誘導して創製した。インデノンにフェニルリチウムを作用させて得られるインデノールは光環化量子収率がほぼ1であった。またインデノンにt-ブチルリチウムを作用させて得られるインデノールは、100%のジアステレオ選択性で光環化反応を起こすことが分かった。3.ジアステレオ選択性に関しては他に、ビスチエニルヘキサフルオロシクロペンテンの系で、片方のチオフェン環の片面をトリエチレングリコールの鎖でブロックして、環化が鎖と逆側からしか起きない系を設計し、合成した。この化合物は100%のジアステレオ選択性で光環化を起こした。4.ビス(5-フェナントロリルチエニル)ヘキサフルオロシクロペンテンは、Cu(I)と選択的に2+2の錯形成を起こすことが分かった。
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Dyes and Pigments
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http://www.yokoyama-lab.ynu.ac.jp/index.html