研究領域 | フォトクロミズムの攻究とメカニカル機能の創出 |
研究課題/領域番号 |
19050005
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
関 隆広 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40163084)
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研究分担者 |
竹岡 敬和 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (20303084)
永野 修作 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教 (40362264)
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キーワード | フォトメカニカル効果 / アゾベンゼン / LB膜 / 高分子薄膜 / 光誘起物質移動 / AFM測定 |
研究概要 |
二次元形態は物質の状態変化の詳細を観測しやすいことから、光メカニカル機構の解明を分子レベルで行うのに最適な系である。本研究は、単分子膜および薄膜で観測される光メカニカル効果と光誘起物質移動の解明とその応用展開に関する研究を行なった。膜の形態は主に原子間力顕微鏡(AFM)を用いて観測した。 単分子膜の光メカニカル効果を利用したミクロ相分離構造の光チューニングによって、ひとつの高分子物質でありながら多様なナノ構造の作りわけが可能となってきた。水面に展開したアゾベンゼン含有ブロック共重合体が形成する2次元ミクロ相分離について、従来ドット/ストライプパターンの光制御を実現してきたが、今回、ドットパターンを維持したままそのドット間の距離を光にて制御できる系を見出した。 薄膜系の光誘起物質移動については、液晶を発現する温度の異なる高分子を系統的に合成し、膜の熱物性と物質移動特性の相関を把握することに努めた。その結果、従来、紫外光全面露光後の青色光のパターン露光という2段露光により物質移動が誘起できるとしてきたが、温度条件を整えれば紫外光の1段露光でも膜物質が移動し、レリーフが形成されることを見出した。この場合、膜物質は露光部分へと自己集合的に盛り上がったレリーフができる。一方、移動を誘起できるアゾベンゼン高分子膜のトランス/シス比を綿密に検討し、偏光顕微鏡測定ともあわせ、膜の移動には、液晶相と等方相の光相転移が必須であることが判明した。すなわち、膜の光相転移のパターンを誘起できれば、紫外光、可視光、どちらのパターン露光でもレリーフ形成ができることを示した。
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