研究領域 | フォトクロミズムの攻究とメカニカル機能の創出 |
研究課題/領域番号 |
19050009
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松田 建児 京都大学, 工学研究科, 教授 (80262145)
|
研究分担者 |
長谷川 淳也 京都大学, 工学研究科, 講師 (30322168)
東口 顕士 京都大学, 工学研究科, 助教 (90376583)
|
キーワード | ナノ材料 / 複合材料・物性 / 光物性 / 光スイッチ |
研究概要 |
ジアリールエテンのフォトクロミズムは光異性化に伴ってπ共役のトポロジーが大きく変化する。そのことを利用して、ジアリールエテン分子を流れる電気信号をコントロールすることが試みられている。一方、最近、ジアリールエテンの閉環/開環反応が光照射だけでなく、化学的、電気化学的酸化によっても進行することが報告されている。反応はカチオンラジカルを経由して起こり、また開環反応は連鎖的に起こりうることが報告されている。 今年度は、ポルフィリンをテンプレートとしたジアリールエテンの二次元配列とその光応答性について検討した。RhClポルフィリンとジアリールエテンからなるDiadの、HOPG/Octanoic acid界面での二次元配列構造のSTM観察では、個々の分子が別々に観測でき、光反応した分子としていない分子を区別して観測できることが期待される。ポルフィリンがテンプレートとしてHOPG基板に配列し、ジアリールエテンが基板に対して垂直に立った構造をとる。STMで検出される高さの情報はサンプルの導電性に大きく依存するため、等電流モードで測定したときの高さは、導電性の低い開環体は相対的に低く、閉環体は高く観察される。測定結果では、紫外光照射に伴って、導電性の増加に伴うと考えられる、高く観測されるスポットの増加が観測された。ヒストグラムの解析により、開環体と閉環体の見かけの高さの差は5.4Aとなり、分子導電性の特性を示す減衰定数β値の変化は0.83と求められた。
|