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2009 年度 実績報告書

光駆動の分子機械を創成するための基盤研究

計画研究

研究領域フォトクロミズムの攻究とメカニカル機能の創出
研究課題/領域番号 19050013
研究機関北海道大学

研究代表者

玉置 信之  北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (00344218)

研究分担者 秋山 陽久  独立行政法人 産業技術総合研究所, ナノテクノロジー研究部門, 研究員 (80356352)
キーワードアゾベンゼン / 分子機械 / 光駆動 / 高分子 / 面不斉 / モータータンパク
研究概要

光駆動分子機械のひとつとして、分子内回転を完全にかつ可逆的に紫外線と青色光でON-OFFできる分子ブレーキを世界で初めて合成することに成功した。
ブレーキは、マクロな世界での自動車においてアクセルと同様に重要な機械であるのと同様に分子の世界でも重要である。これまで分子内の回転運動を光で可逆的に制御することを目指した研究はいくつかあったが、いずれも回転を止めたり動かしたりを完全に制御することはできず、最もうまく止めた場合でも3回転/秒の回転運動を許していた。従来の研究では、化合物の設計にも問題があったが、回転運動の検出にNMRの手法を用いていることから数回/秒以下の遅い回転は検出することが難しく、完全に止まった状態であることを証明することができなかった。今回、完全に回転が止まった状態を「ラセミ化反応が起こらないこと」で証明する方法を新たに提案した。実際に光に応答して構造変化してブレーキとして働くアゾベンゼンと回転部位として働くナフタレンを適当なスペーサー分子鎖で環状に結合した面不斉化合物を新規にデザイン、合成した。本化合物では、アゾベンゼンがトランス構造を有するときには面不斉基づく鏡像異性体が安定に存在し、キラルカラムを用いて光学分割することができた。一方で、シス体へと光異性化反応を起こすとナフタレンが回転することをラセミ化反応が起こることから明らかにした。すなわち、ナフタレン部位の回転が起こる状態と完全に止まった状態を光でスイッチできることを示した。今後、分子自動車の部品として組み込んだり、機械的ねじりや円偏光等の物理的な不斉場を認識するキラル場センサーとして利用することが期待できる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 面不斉型光応答性キラル添加剤2010

    • 著者名/発表者名
      玉置信之
    • 雑誌名

      液晶 14

      ページ: 32-38

  • [雑誌論文] A Light-Controlled Molecular Brake with Complete ON-OFF Rotation2010

    • 著者名/発表者名
      Meethale C. Basheer, Yoshimi Oka, Manoj Mathews, Nobuyuki Tamaoki
    • 雑誌名

      Chemistry-A European Journal 16

      ページ: 3489-3496

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Reversibly tunable helicity induction and inversion in liquid crystal self-assembly by a planar chiroptic trigger molecule2009

    • 著者名/発表者名
      Manoj Mathews, Nobuyuki Tamaoki
    • 雑誌名

      Chemical Communications

      ページ: 3609-3611

    • 査読あり
  • [学会発表] A Light Controlled Molecular Brake with Complete ON-OFF Rotation2010

    • 著者名/発表者名
      玉置信之
    • 学会等名
      International Symposium of Joint Research Network on Advanced Materials and Devices 彫"Chou"
    • 発表場所
      ホテル ニドム(苫小牧市)
    • 年月日
      2010-03-26
  • [学会発表] A Light Controlled Molecular Brake with Complete ON-OFF Rotation2009

    • 著者名/発表者名
      玉置信之
    • 学会等名
      G-COE International Symposium on: "Dynamic Phenomena in Molecular Complex Chemistry"
    • 発表場所
      東北大学
    • 年月日
      2009-10-02
  • [図書] 光配向テクノロジーの開発動向 第5編 第2章 コレステリック液晶における選択反射の光制御2010

    • 著者名/発表者名
      玉置信之
    • 総ページ数
      14
    • 出版者
      シーエムシー出版

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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