研究実績の概要 |
準結晶のマテリアルズインフォマティクスの理論・方法論を構築した。吉田らは、機械学習モデルを用いて、3個の新しい準結晶を発見した(Liu et al., Phys Rev Mater (2023))。これらは、準結晶研究の歴史において、機械学習が発見した初めての準結晶である。さらに、混合相の粉末X線回折のスペクトルから準結晶相の有無を判定する機械学習アルゴリズムを開発し、1個の準結晶を発見した(Uryu et al., Adv Sci (2024))。その他、カーネル平均組成記述子(Kusaba et al., Phys Rev B (2023))、期待損失最小化原理に基づく転移学習(Minami et al., Adv Neural Inf Process Syst (2023))、結晶構造予測(Liu et al. arXiv (2023))等の方法論・ツールを開発した。桂らは、準結晶・近似結晶の各種物性値の温度依存性を表す図をデジタル化したデータベースを公開した。竹森らは、フォトニックハイパーマテリアルの状態密度構造を解析した(投稿準備中)。さらに、開発した高次元周期構造を利用したフォトニック準結晶の状態密度計算プログラムをGithubで公開準備中である。また、縮約密度行列の量子状態推定に関する量子アルゴリズムの開発では、準結晶の実空間基底での電子状態を取り扱うことを可能とする高次縮約密度行列の推定アルゴリズムを開発した。野澤らは、Ag-In-Yb準結晶2回、5回表面におけるペンタセンの吸着に関してペンタセンの配向依存性も含めて解析し、Ag-In-Yb準結晶表面上でのペンタセン吸着に関する包括的な理解を得た。Al13Fe4に関しては、触媒への応用を視野に入れ、Pt/Pd/Niをそれぞれ微量添加した場合の表面構造を特定し、水素とアセチレンの吸着構造を調べた。
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