顔認知機能の発達過程の解明

2012 年度 研究成果報告書

• 研究領域: 学際的研究による顔認知メカニズムの解明
• 研究課題/領域番号: 20119002
• 研究種目: 新学術領域研究(研究領域提案型)
• 配分区分: 補助金
• 審査区分: 複合領域
• 研究機関: 中央大学
• 研究代表者: 山口 真美 中央大学, 文学部, 教授 (50282257)
• 研究期間 (年度): 2008 – 2012
• キーワード: 顔認知 / 乳幼児 / 脳活動計測 / NIRS

研究概要

本研究は、乳児期の顔認知発達に関する多くの研究成果を産出した。乳児の注視行動を計測する行動実験では、表情や顔向きのような顔の動きが顔認知を促進することを明らかにし、自然場面で見られるような顔の社会的情報の重要性を示した。さらに顔観察時の脳活動計測から、顔の同定や母顔などの既知顔認識が生後7-8ヶ月頃に発達することを示し、顔認知の社会的側面の発達過程の解明に大きく貢献した。

研究成果

• [雑誌論文] Do infants recognize the Arcimboldo images as faces? Behavioral and near-infrared spectroscopic study (2012)
  • 著者名/発表者名: Kobayashi, M., Otsuka, Y., Nakato, E., Kanazawa, S., Yamaguchi, M. K., & Kakigi, R
  • 雑誌名: Journal of Experimental Child Psychology 巻: 111 ページ: 22-36
  • 査読あり
• [雑誌論文] Infant learning ability for recognizing artificially-produced three-dimensional faces and objects (2011)
  • 著者名/発表者名: Yamashita W., Kanazawa S., & Yamaguchi M. K
  • 雑誌名: Journal of Vision 巻: 11(6):9 ページ: 1-11
  • 査読あり
• [雑誌論文] Infant brain activity while viewing facial movement of point-light displays as measured by near-infrared spectroscopy (NIRS) (2010)
  • 著者名/発表者名: Ichikawa H., Kanazawa S., Yamaguchi M. K., & Kakigi R
  • 雑誌名: Neuroscience Letters 巻: 482(2) ページ: 90-94
  • 査読あり
• [雑誌論文] The recognition of moving and static faces by young infants (2009)
  • 著者名/発表者名: Otsuka, Y., Konishi, Y., Kanazawa, S., Yamaguchi M. K., Abdi, H. & O'Toole A. J
  • 雑誌名: Child Development 巻: 80(4) ページ: 1259-1271
  • 査読あり
• [雑誌論文] When do infants differentiate profile face from frontal face? A near-infrared spectroscopic study (2008)
  • 著者名/発表者名: Nakato, E., Otsuka, Y., Kanazawa, S., Yamaguchi M. K., Watanabe, S., Kakigi, R
  • 雑誌名: Human Brain Mapping 巻: 30(2) ページ: 462-472
  • 査読あり
• [学会発表] Dynamic Subtle Facial Expression Can be Recognized by 6-to 7-month-old Infants (2012)
  • 著者名/発表者名: Ichikawa, H., Kanazawa, S., & Yamaguchi, M. K
  • 学会等名: 18th Biennial International Conference on Infant Studies
  • 発表場所: Minneapolis, USA
  • 年月日: 20120000
• [学会発表] Do Faces Attract Young Infants' Attention? Examination of Attentional Shift Behavior in 4-Month-Old Infants (2012)
  • 著者名/発表者名: Otsuka, Y., Ichikawa, H., Yamashita, W., Kanazawa. S., Bulf, H., Valenza, E., & Yamaguchi, M. K
  • 学会等名: 18th Biennial International Conference on Infant Studies
  • 発表場所: Minneapolis, USA
  • 年月日: 20120000
• [学会発表] Face representation in infant temporal region investigated by the neural adaptation paradigm; the near-infrared spectroscopic study (2012)
  • 著者名/発表者名: Kobayashi, M., Otsuka, Y., Kanazawa, S., Yamaguchi, M. K., & Kakigi, R
  • 学会等名: 18th Biennial International Conference on Infant Studies
  • 発表場所: Minneapolis, USA
  • 年月日: 20120000
• [学会発表] A longitudinal study on infants' face perception by near-infrared spectroscopy (2011)
  • 著者名/発表者名: Nakato, E., Ichikawa, H., Kanazawa, S., Yamaguchi, M. K., & Kakigi, R
  • 学会等名: Vision Sciences Society 11th Annual Meeting
  • 発表場所: Florida, USA
  • 年月日: 20110000
• [学会発表] The effect of gaze direction on 3D face learning in infants (2011)
  • 著者名/発表者名: Yamashita, W., Kanazawa, S., & Yamaguchi, M. K
  • 学会等名: Vision Sciences Society 11th Annual Meeting
  • 発表場所: Florida, USA
  • 年月日: 20110000
• [図書] 顔を科学する 適応と障害の脳科学 (2013)
  • 著者名/発表者名: 山口真美・柿木隆介(編著)
  • 出版者: 東京大学出版会
• [図書] 赤ちゃんは顔をよむ (2013)
  • 著者名/発表者名: 山口真美
  • 出版者: 角川ソフィア文庫
• [図書] 乳幼児心理学 (2012)
  • 著者名/発表者名: 山口真美・金沢創(編著)
  • 出版者: 放送大学教育振興会
• [図書] 集英社新書 (2010)
  • 著者名/発表者名: 山口真美
  • 出版者: 美人は得をするか「顔」学入門
• [図書] 赤ちゃんの視覚と心の発達 (2008)
  • 著者名/発表者名: 山口真美・金沢創
  • 出版者: 東京大学出版会
• [備考]
  • URL: http://c-faculty.chuo-u.ac.jp/~ymasa/index.html
• [備考] 2013年2月15日日本経済新聞NIKKEIプラス1「とことん試します:顔と名前を一致させるには」取材協力
• [備考] 2012年11月15日読売新聞関西版、顔認知にかかわる記事に研究代表者のコメントを掲載
• [備考] 「Baby-mo」11・12月合併号(発売日:10月15日)(p34-35)に研究代表者が取材に協力した記事を掲載
• [備考] 研究代表者のインタビュー記事を2012年8月30日(木)読売新聞夕刊で掲載(「科学コラム」欄での掲載)
• [備考] 「AERA with Baby」2012年スペシャル保存版(発売日:6月15日)の記事「大人とはまったく違う 赤ちゃんの視覚の世界」(p30-33)に研究代表者が協力
• [備考] 2012年2月25日(土)、研究代表者がTBSラジオ「夢夢エンジン」(24時30分～25時、AM954kHz)に出演
• [備考] 研究代表者の研究を「Chuo Online」で紹介
• [備考] 研究代表者がベネッセ「こどもめがね」の取材に協力した記事の掲載継続が決定
• [備考] 研究代表者の研究をNHKBSプレミアム"極上美の饗宴"「瞳のない美女の謎～モディリアーニ」で紹介.放送時間は2012年2月6日(月)午後9時00分～9時58分
• [備考] 研究代表者の研究をNHKスペシャル「HUMAN」で紹介.放送時間は2012年1月22日(日)午後9時00分～9時54分
• [備考] 「AERA with Baby」2012年2月号(発売日:1月15日)の記事「人見知りの不思議」(p44-49)に研究代表者が協力
• [備考] 自然科学研究機構生理学研究所との共同研究として行なった赤ちゃんの顔認知に関する研究を日本経済新聞などに掲載.(日本経済新聞「だまし絵の顔、生後7～8カ月で認識 中大教授ら発見」など)
• [備考] 新聞紙面:2011年9月27日 日本経済新聞p.38(社会面).2011年10月7日 科学新聞 p.4(科学技術総合)
• [備考] ウェブニュース:(すべて2011年9月26日) 時事ドットコム,yahooニュース,朝日.com,日本経済新聞(電子版),@niftyニュース,biglobeニュース,eoニュース,exciteニュース,infoseekニュース,livedoorニュース,ニコニコニュース,楽天woman,日経就職Navi
• [備考] テレビ番組:2011年9月27日 ちちんぷいぷい(毎日放送)
• [備考] 自然科学研究機構生理学研究所との共同研究として行なった赤ちゃんの脳活動に関する研究をNature Japan2011年3月17日号の日本語版FOCUS「人体や病気を見る・調べる・治す-ヒト用のイメージング技術」で紹介
• [備考] 自然科学研究機構生理学研究所との共同研究として行なっている赤ちゃんの表情認知に関する脳活動に関する研究を掲載(2010年11月5日「赤ちゃん,笑顔と怒った顔を識別.中大など確認」日経新聞)
• [備考] 自然科学研究機構生理学研究所との共同研究で,赤ちゃんの顔認知に関する脳活動に関する研究を掲載(2010年12月16日「やっぱりママが好き.母見たときだけ右左脳活動」)
• [備考] 自然科学研究機構生理学研究所との共同研究で,赤ちゃん研究の成果が雑誌「日経サイエンス」に掲載(2011年02月号 p.20. NEWS SCAN 「赤ちゃんの顔認識」)
• [備考] 研究代表者が出演した東京MXの科学番組「ガリレオチャンネル 共感覚のミステリー-音や文字に色を感じる!?-」(2009年11月21日(土)夜7時放送)が、第51回科学技術映像祭にて文部科学大臣賞「科学技術教養部門」を受賞(再放送2010年5月29日,NHK教育)
• [備考] 日本赤ちゃん学会が編集・発行している雑誌「赤ちゃん学カフェ」(ひとなる書房 発売)に研究室の研究内容を紹介高島翠・山口真美.(2010).赤ちゃんの視覚世界.赤ちゃん学カフェ,3,24-27
• [備考] 九州大学高等研究院の河邉隆寛特別准教授を中心とした研究グループが、生後5-8ヶ月の赤ちゃんが感じるアニメーションの動きが音で変わることを発見。朝日新聞等で紹介
• [備考] 「AERA with Baby」2010年4月号の記事「赤ちゃんの視覚世界」で研究室の研究を紹介
• [備考] 日本経済新聞で研究代表者が「だましの名画 十選」を連載 (2010.2.15～3.2の月火木金)
• [備考] 研究代表者がBankART1929(横浜市)の展示「Time Lapse Plant」のトークイベント「対談=藤本隆行×山口真美」に参加
• [備考] 赤ちゃん本舗で配られているフリーマガジン「赤ちゃんボンジュール1月号」で研究代表者の著書を紹介
• [備考] 11月22日の16時～17時25分、テレビ朝日の「博士のスゲェ研究」特別番組で、研究代表者の本「赤ちゃんは顔をよむ」紹介
• [備考] 研究代表者が東京MXの科学番組「ガリレオチャンネル」に出演(2009年11月21日夜7時～)
• [備考] 〓(えい)出版社「Baby Life(no.11)」の「我が子の、才能の見つけ方と伸ばし方」に、研究代表者の記事を掲載。<Ability>「才能に気づき、育てるためには、親に心の余裕が必要です」(pp.58-59)
• [備考] 日本基礎心理学会が開催する一般向け(高校生向け)公開シンポジウムで、赤ちゃん実験の成果を発表 (2009年10月10日(土)14:00～18:00,東京大学本郷キャンパス)
• [備考] 研究代表者がNHKの番組「サイエンスZERO」に協力「シリーズ人の謎にせまる(8) 表情に隠された進化の道」(2009年5月23日放送)
• [備考] 自然科学研究機構生理学研究所との共同研究の成果を読売新聞,日刊工業新聞等に掲載「ママまっすぐこっち向いて…横顔わからぬ5か月児」(2009年2月4日付け読売新聞)
• [備考] マリークレール10月号に研究内容を掲載:「早期教育が与える影響とは?」(p.118)
• [備考] The Neighbor 10月号に山口真美先生が寄稿:「不思議がいっぱい顔の謎」(pp.14-17)
• [備考] 研究代表者が研究代表者がTBSラジオ(AM954kHz)「久米宏 ラジオなんですけど」に出演(2008年11月1日13時00分～15時00分)
• [備考] 研究代表者が文化放送「くにまる・アカデミー」にて、赤ちゃんの視覚世界の講義を放送(2008年8月4日)
• [備考] 日本科学未来館:予感研究所2にて「赤ちゃんを科学する!」を展示
• [備考] 読売新聞連載「日本の知力 第4部 天職で考える1」に取材協力。記事は読売新聞2008年7月22日朝刊1-2面に掲載
• [備考] AERA with Babyの2008年春号「子どもの脳の仕組みを探る」に,研究代表者の説明を掲載
• [備考] 2008年4月12日(土)の日本経済新聞モディリアーニ展の記事に研究代表者の説明を掲載
• [備考] (財)花王芸術・科学財団シンポジウム「顔と文化」,第3回「心を映す顔」(2008年5月24日(土)13:00～17:00.東京,大手町,サンケイプラザ4Fホール)でトーク
• [備考] at home time(不動産情報会社at homeの情報誌 2008年3月20日発行 No.316)の「こだわりアカデミー」で研究内容を紹介
• [備考] 2008年3月22日(土)17:15～のSKY PerfecTV! 765ch「サイエンスチャンネル(独立行政法人科学技術振興機構運営)」で研究内容を放送
• [備考] 2008年2月10日(日)の日本経済新聞「光の旅:レンブラント」の記事に,研究代表者の説明を掲載
• [備考] 2008年1月25日の教育医事新聞15面で「新しい乳幼児健診模索-早期発見の可能性」として研究内容を紹介
• [備考] 2008年1月28日の保健ニュース(少年写真新聞社)で「赤ちゃんの脳機能(仲渡江美・山口真美・柿木隆介)」として研究内容を紹介
• [備考] 2008年1月12日(土)20:30～(再放送は1月18日(金)13:05～)のNHK「すくすく子育て」、"赤ちゃんの脳"で研究内容を放送