本研究は、人間の発揮できる能力の限界が脳の潜在過程によって制御されているという仮説を検証し、その限界を突破するための手法の創出を目的に行った。この目的のため、行動実験パラダイムのデザイン、脳イメージング実験、脳刺激実験を実施した。研究期間中は、コロナ禍による世界的な研究活動の制限や入国制限により外国人研究員の入国が1年半以上も遅れる等の問題に見舞われた。しかしこれまでに、皮膚電気刺激による反応時間の向上や、気を逸らすことで持続的な握力の発揮を促進するなど、テクノロジーや心理学的知見を利用した複数の限界突破法が見出され、一定の研究成果が得られている。
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