研究領域 | 生涯学の創出-超高齢社会における発達・加齢観の刷新 |
研究課題/領域番号 |
20H05804
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
筒井 淳也 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (90321025)
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研究分担者 |
渡邉 大輔 成蹊大学, 文学部, 准教授 (20629761)
田中 慶子 慶應義塾大学, 経済学部(三田), 特任准教授 (50470109)
菊澤 佐江子 法政大学, 社会学部, 教授 (70327154)
西野 勇人 東日本国際大学, 健康福祉学部, 講師 (70845768)
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研究期間 (年度) |
2020-11-19 – 2025-03-31
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キーワード | 高齢化 / 社会参加 / ライフコース |
研究実績の概要 |
2020年度は、採択通知が11月となり、一部資金を繰り越すなどを行いつつ、計画のスタートアップ作業を行ったため、本格的な研究活動は本年度からになった。5/16に計画研究班でミーティングを行い、活動予定の確認を行った。また、同じ領域研究内における別の社会学分野計画研究班と合同のミーティングを行い、互いの調査研究の計画を確認し、可能な範囲で協力を行うことも決定された。 本調査に向けて研究課題を明確化するという課題を設定し、そのために研究会を二回開催した。8/24は、名古屋市立大学の安藤究先生を招聘し、「中年期から高齢期への移行と家族経験の多様性」というテーマで報告を行ってもらった。本計画研究の調査ではライフコース論的な視点を重視することが予定されているが、そのための重要な知見を得ることができた。次に12/10には実践女子大学の原田謙先生を招聘し、「高齢者の社会参加の阻害要因としての『エイジズム』」というテーマで報告を頂いた。高齢者の社会参加は本計画研究の主要研究課題であり、貴重な機会となった。 3/23には、新たに領域に参加した社会学分野の公募研究班の代表者2名を交えて、改めて社会学分野の研究班(4班)合同のミーティングを開催し、調査において必要な協力体制を敷くことが確認された。 本調査前ではあるが、関連する研究業績の蓄積もあった。代表者の筒井は『家族社会学研究』に成人親子関係に関する論文(査読付き)を掲載、分担者の渡邉も国際誌International Sociologyにおいて、更年期の生活の多様性についての論文(査読付き)を掲載することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の目的は、23年度の本調査に向けて、研究課題を明確にする点にあったが、複数回の研究会や研究ミーティングを通じて、「生涯学」へのオリジナルな知見を得るために必要な視点とはどういうものかについて、具体的に検討することができた。高齢期の経験は時代・出生コーホート、その他の社会的属性に応じて異質性があり、多様な経験をいかに特定することができるのか、そのための調査デザインとはどういうものになるのか、が研究の焦点であることが確認された。 さらに、領域全体の課題である「生涯観の刷新」という目的に向けて、本計画研究班が社会学の観点からどのようにアプローチできるのか、についても検討された。その結果、23年度の本調査の前、22年度において、もう少し広い年齢層を対象に予備的なウェブ調査を行い、生涯観の異質性についての把握を行うことを確認した。
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今後の研究の推進方策 |
本計画研究班において重要な資料となるのは、23年度の本調査において取得される大規模標本データ、および22年度に予定しているウェブ調査のデータである。以上のふたつの調査をスムーズに進めるために、予定を確定させて準備を行う必要がある。 具体的には、22年10月にウェブ調査の実施を計画し、そのための調査票の策定と調査デザイン、委託祭の決定などを7月から9月にかけて行う。 ウェブ調査においては、同一領域の他の研究班からの設問公募を行うことを計画しており、これは6月中に実施する予定である。設問公募は、領域内の研究交流からオリジナルな知見を生み出す可能性を見据えている。
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