研究領域 | グリアデコーディング:脳-身体連関を規定するグリア情報の読み出しと理解 |
研究課題/領域番号 |
20H05901
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
石井 優 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 教授 (10324758)
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研究期間 (年度) |
2020-11-19 – 2025-03-31
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キーワード | 神経関連マクロファージ |
研究実績の概要 |
本年度には、以下の研究課題に取り組んだ。 1.好中球由来小胞による自律神経制御機構の解明 末梢組織・臓器の生体イメージングの系を活用して、特に神経系による免疫システムの制御機構について統合的に明らかにした。中でも末梢の自律神経による免疫機能の制御、具体的には全身炎症の際に放出される細胞外微粒子が神経を介して炎症を微調整する機構や、逆に免疫細胞が神経機能を制御するシステムを、分子機構から詳細な解析を行った。特に、好中球の集積が確認される臓器傷害モデルとして、具体的にはLPS誘導肺炎モデルを用い、好中球を特異的に蛍光標識したレポーターマウス(LysM-EGFPマウス)からLysM-EGFP陽性の好中球由来小胞を回収することに成功した。さらにこれの全身状態の病態への影響を評価し、特定の小胞が自律神経を介して内分泌系の調節に関与しうることを発見した。 2.末梢神経周囲に存在する神経関連マクロファージの解析 末梢神経に近接し、神経伝達物質の受容体を発現する神経関連マクロファージが注目されている。本研究でも肝臓において新規の神経関連マクロファージの存在を同定し、この細胞の同定とその機能の分子基盤の解明を行った。具体的にはこれらの細胞をセルソーティングやシングルセル解析にて分類し、特異的表面マーカーを抽出して解析した。さらには交感神経の可視化系と合わせることで、この神経関連マクロファージと交感神経との時空間的相互作用を詳細に検討した。その結果、このマクロファージは特徴的な表面マーカーを発現しており、肝門脈周囲の交感神経と相互作用を行っていることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
特に令和4年度から遂行している肝臓での神経関連マクロファージの研究が大きく進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
肝臓での神経関連マクロファージと神経との相互作用の実体的解析のために、学術変革領域内での連携により光遺伝学的手法などの新たな解析ツールの導入を行っていく。
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