植物は、葉の表面に存在する気孔の開度を調節することで光合成に必要なガス交換と乾燥への適応を両立し、かつ、蒸散による全身的な物質転流の駆動力を生み出している。気孔の開閉を介した生長制御や環境応答はこれまで植物の個の力として捉えられてきた。本研究において、植物の気孔開閉を操作する共生細菌を複数発見した。加えて、共生細菌による気孔開閉誘導の仕組みの一端を明らかにした。また、気孔開閉を操作する共生細菌の中には、植物の生長を促進するものが存在することを見出した。本研究は、気孔を介した植物と細菌の新たな関係性を提示するものである。
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