計画研究
各種超硫黄分子の可視化解析のための蛍光プローブ及び、NMRプローブの開発を行い、それによって、これまで不可能であった超硫黄分子の動的変化のイメージングや定量計測を実現することを本研究の主目的としている。さらに、本研究領域において、これらのツール開発を行うのみならず、これらのツールを基盤とした領域内共同研究を推し進める。さらに、開発する蛍光プローブを用いて独自の研究アプローチによって、硫黄代謝ダイナミクスを制御するタンパク質に対する生合成制御分子の開発や、硫黄代謝異常の高感度検出による疾患の診断技術の開発にも取り組み、超硫黄分子と疾患の関わりの理解も推進する。本年度においては、次年度(2022年度)からの本格的な蛍光プローブや酵素阻害剤の開発のための、有機合成や酵素アッセイ評価、疾患診断のための研究設備の整備を中心的に行った。例えば、有機合成用のエバポレーターや水浴、真空ポンプなどの整備や、酵素アッセイ用の蛋白質の発現・精製のための実験装置、蛍光及び吸光での酵素アッセイを可能とするプレートリーダーなど測定機器の整備などを行った。また、超硫黄分子を検出する新たな蛍光プローブの分子設計及び合成を行い、in vitroアッセイで高いS/Nで、超硫黄分子を産生する酵素の活性を検出できる蛍光プローブの開発に成功した。このようなin vitroアッセイ用の優れた蛍光プローブを開発することで、今後の様々な超硫黄分子の産生酵素の阻害剤スクリーニングに有用になると考えている。
1: 当初の計画以上に進展している
当初の予定通り、次年度から本格的に開始する、蛍光プローブやNMRプローブの開発、酵素阻害剤の探索、硫黄代謝異常の高感度検出システムの開発のための設備の整備を達成することに成功した。さらに、酵素阻害剤のスクリーニング探索のための優れた超硫黄分子を検出する蛍光プローブの開発まで達成したため、当初の計画以上に進展しているとさせて頂いた。
今後は、当初の予定通りに、整備した研究設備を用いて、研究室スタッフや学生と共に、新たな蛍光プローブや酵素阻害剤の開発などに取り組んでいく予定である。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件) 図書 (1件) 備考 (1件)
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