計画研究
・一分子シーケンサーを用いて、アーバスキュラー菌根菌(AM菌)より分岐年代が古いアツギケカビ目の2種、Sphaerocreas pubescensとEndogone pisiformisのドラフトゲノム配列を決定した。両菌種ともチロシンキナーゼ様遺伝子が多様化しており、AM菌と共通した特徴を示した。・ミヤコグサのRNA-seq 解析から、菌根形成過程で発現変動するミヤコグサの8つの転写因子について、その下流遺伝子候補をDEX誘導系で特定した。この転写因子のうち菌根誘導性AP2/ERF転写因子は菌根の樹枝状体で発現するとともに根粒原基でも発現していることを見いだした。・外生菌根性の獲得という共生の初期段階に関わる遺伝子の探索を目的として、ホンシメジの全ゲノム解読を行った。昨年度に実施したゲノムシークエンス結果を見直し、真核生物で保存されている遺伝子の95%を含む信頼性の高いゲノムデータを得た。・マメ科植物との共生において、根粒菌は植物からBenefitを受け取る代わりにCostを払っている。窒素固定能の進化ダイナミクスの数理モデル解析により、この共生進化はCostとBenefitのバランスに依存しており、両者が拮抗した条件ではCostをほとんど負担せず一方的にBenefitを得る「ぼったくり菌」が出現することが分かった。・根粒共生系の進化基盤の解明: 根粒共生の制御ネットワークを知るために、根粒形成の全身的フィードバック制御を駆動する因子を調べた。その結果、根粒形成の正の制御因子であるNINがCLEペプチド遺伝子を直接活性化することを明らかにした。また窒素条件で根粒を制御する遺伝子も同定した。これまでの知見を総合すると、マメ科植物はAM菌との共生系を基盤として、SAM制御ネットワークと窒素応答関連の遺伝子をリクルートすることにより、安定した根粒共生系を進化させたと考えられた。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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