計画研究
ヒトとロボットの共生社会の実現には、ヒトとロボットとの自然かつ真のコミュニケーションが必要不可欠である。「喜怒哀楽」という個の情動から、「嫉妬・不公平感」といったヒトや動物がもつ本質的な社会情動を理解し、さらに優れた社会情動モデルを構築するため、本研究では、最近明らかになりつつある神経科学ベースの機能モジュールも組み込んだ新たなヒト共生ロボットの開発を目指す。その過程で、様々シミュレーションを行い得られる仮説を実験動物班に提供し検証・実証を繰り返すことにより、モデルの改善を行い、また嫉妬や不公平感を生み出す神経メカニズムの解明に貢献したい。上記の目的の為に、当該年度はサルの不公平嫌悪時のデータを用いて、モデルの検討を行うと共に、ヒトを用いた実験にて生体信号と感情の共有について調査を行った。モデルについては報酬の比較過程を利用した強化学習モデルの検討とロボットの概念学習で用いられているトピックモデルである多層マルチモーダルLDAを用いたモデル構築を実施しており、パラメータ調整をしながら学習を進めている。同時にアントニオ・ダマシオの概念的モデルから脳部位との対応も考慮したモデルについて議論を続けている。また、当該年度は複数回のセミナーを実施し、お互いの分野への理解を深めるとともに、嫉妬の定義について議論を行った。この領域での議論を重ねることで嫉妬の理解が深まることが期待できた。当該年度は国内学会への発表ならびに招待講演を実施した。
2: おおむね順調に進展している
2022年度は領域内のお互いの分野の知識を共有するためのセミナーを複数回開催し、情報共有をするとともに、嫉妬とは何かについて議論を深めた。また、他班からデータ共有をうけ、それを元にモデルの構築も進めており、概ね順調であると判断した。
当該年度はサルの不公平嫌悪時のデータを用いて、モデルの検討を行うと共に、ヒトを用いた実験にて生体信号と感情の共有について調査を行った。今後は引き続き、報酬の比較過程を利用した強化学習モデルの検討とロボットの概念学習で用いられているトピックモデルである多層マルチモーダルLDAを用いたモデル構築を進めるとともに、嫉妬の定義について議論を重ね、嫉妬の理解を深めていく。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 6件、 招待講演 1件) 備考 (1件)
Clinical Neuroscience
巻: vol. 41(4) ページ: 570
体育の科学
巻: vol. 73 (5) ページ: -
http://envyscience.umin.jp/