計画研究
福島第一原発事故で大量の放射性核種が環境に放出されて,5年が経過した。今年度は①微量な放射性核種の定量を可能にする簡便かつ高精度アクチニド測定法の開発と応用,②放出された放射性核種の存在形態解析を中心に環境中での放射性Csの移行挙動解明を重点的に行なった。①の測定に関しては、AMS測定におけるターゲット作成方法を工夫して海水1Lから極微量U-236を測定できる方法、さらにNp-237について5L程度から測定できる新たな分析法を考案した。エアロゾルのI-129についてはデーターの信頼性を高め、連続SPM試料を用いて事故初期のエアロゾル中のI-131濃度(ガス状のI-131は除く。別途評価する必要あり)を概ね復元できることが分かった。また環境に放出された放射性物質の存在状態の情報を得る為に汚染の高い黒い物質について、その試料からの強放射性の微粒子(Csボール、Nuclear particle)の分離法を開発し、マイクロXAFS法等を用いて粒子のサイズ、組成等を明らかにすると同時に、土壌、懸濁物にも応用し拡大した。②に関しては、福島県の河川におけるCs-137(Cs-134)放射能濃度は漸減傾向にあり、河川から海洋に懸濁粒子が流れ込む段階で放射性セシウムが溶け出しやすいこと、見かけの分配係数は塩濃度の上昇とともに低下することが分かった。微細な粒子のシンクであるため池の堆積物を用いて堆積物中の粘土鉱物を対象に主要陽イオンによるセシウム(133Csおよび137Cs)脱離挙動を検討した。粘土粒子の分散・積層挙動がセシウム脱離に大きな影響を与えることが示唆された。同時に、河川における放射性Csの個液分配についての吸着平衡モデルをさらに検討した。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (14件) (うち国際共著 14件、 査読あり 14件、 謝辞記載あり 14件) 学会発表 (28件) (うち国際学会 9件、 招待講演 6件)
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