計画研究
分子の光励起状態とその化学反応に関する科学は多様な自然界の光反応の理解やエネルギーや情報技術の基盤科学として研究が進められてきた。本研究では光反応小支流膣が100%を大きく超える高効率光反応系の構築と光反応材料の高効率化に向けて分子材料システムの開発を進めると共に、自己組織構造と半導体や金属などとの界面光反応を利用する新しい反応系の構築を進めてきた。平成28年度においては、これまで進めてきた高連鎖効率反応分子に関する反応条件の検討を行い、電子移動に伴う反応収率が100000%に達する高効率反応系を確認した。さらに光によるトリガーを考慮して光酸化反応に適した分子構造の探索を行った。具体的にはこれまでチアゾール骨格を中心に材料開発を行ってきたが、酸化反応性や酸化状態の安定性を考慮してフェニルチオフェン骨格を導入した。得られた。その結果、新たに光酸化反応による連鎖開環反応が可能な分子を見出し、1000%を超える光反応量子収率を見出した。さらに実用光反応材料の高感度化に向けて光酸発生剤の開発に取り組み、単一分子から酸とアルコールを選択的に放出する光反応分子の開発に成功した。また、新規光反応剤を化学増幅型光レジストに適用することで光パターン形成に成功したことから、実用レジスト材料への適用可能性を実証した。従来の光酸発生剤に対して2倍以上の高感度化に成功した。一方、固体表面上での異性化反応の直接観察に向けて分子材料開発を進め、適切な置換基の導入により超高真空清浄固体表面での異性化反応の観察に成功した。
1: 当初の計画以上に進展している
これまでの計画に沿って研究を推進し、すでに1000%を超える光反応量子収率を実現しており、最終目標の10000%の達成に向けてほぼ条件は整っている。また光酸発生剤の開発についても世界最高感度の光酸発生剤に成功することはもちろんのこと、平成27,28年度を通じて、高感度光酸発生剤における世界記録を2回にわたり記録更新しており、すでに当初計画の90%程度を達成している。
引き続き超高感度光反応系の構築に向けて研究を進める。固体表面での異性化反応の確認が可能となったので、条件を探索して一層の高効率反応系を構築する。また平成28年度に新たに見出した放射線への感受性について定量評価を進め高感度放射線検出系としての適用可能性を検証する。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (14件) (うち国際共著 7件、 査読あり 12件、 謝辞記載あり 11件) 備考 (1件) 産業財産権 (2件)
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