分子軌道のトポロジーと分子配列に着目した多機能光応答システム

2018 年度 研究成果報告書

• 研究領域: 高次複合光応答分子システムの開拓と学理の構築
• 研究課題/領域番号: 26107008
• 研究種目: 新学術領域研究(研究領域提案型)
• 配分区分: 補助金
• 審査区分: 理工系
• 研究機関: 京都大学
• 研究代表者: 松田 建児 京都大学, 工学研究科, 教授 (80262145)
• 研究協力者: 東口 顕士 ; 廣瀬 崇至
• 研究期間 (年度): 2014-07-10 – 2019-03-31
• キーワード: フォトクロミズム / 自己組織化 / STM / 協同性 / 分子電導

研究成果の概要

同じ分子骨格を持ち、異なる位置にチオール基を持つジアリールエテンと金微粒子でネットワークを作成し、光照射に伴うコンダクタンスの変化を測定し、電導メカニズムにおいてπ共役のつながり方の重要性を明らかにした。
固液界面でのSTM測定において、２次元配列の表面被覆率の濃度依存性を測定し、2-チエニル型のジアリールエテン開環体が、協同性の高い配列形成メカニズムを取ることを明らかにした。対応する閉環体は同程度の濃度ではまったく配列を形成しないことから、高い協同性を用いた高い刺激応答性を持つシステムを構築できた。

自由記述の分野

物理有機化学

研究成果の学術的意義や社会的意義

スイッチング分子の分子スケールナノサイエンスにおいて、超分子光化学の視点から独自の視点での研究を展開した。金微粒子と分子のネットワーク構造を流れる電流におけるπ共役のつながり方の重要性および２次元界面での配列形成における協同性と分子構造の関係を示すことができた。一連の研究成果は、新聞報道、webサイト報道、雑誌の表紙掲載、各種受賞、招待講演等によって社会に対して発信した。