本研究では当初、カスパーゼ1誘導プログラム細胞死であるパイロトーシスの分子機構と役割の解明を目指した。最近、パイロトーシス実行蛋白GSDMDが同定されたが、GSDMD欠損細胞でもカスパーゼ1依存性細胞死が誘導される。この細胞死の分子機構を解析し、GSDMD欠損細胞や、元々GSDMDの発現が低い神経細胞やマスト細胞ではカスパーゼ1がBid依存性アポトーシスを誘導することを示した(Nat Commun, 2019)。また、がん治療モデルを用い、がん細胞にパイロトーシスを誘導するとアポトーシスを誘導した場合よりも強い抗腫瘍免疫を誘導しうることを示した。
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