研究課題
平成2年度は地域別の集中調査と、教団関係資料の収集整理を中心に行った。地域別の集中調査は、東京都に位置する教団を中心に行い、かなりの成果をあげることができた。教団制作の教会・支部名簿および電話帳に宗教として記載されている団体に対して訪問調査を行った。こうした訪問調査は、特定の教団全体を調査する場合にはもれてしまう小規模な教会や支部、布教所における活動を詳細に把握することを可能にさせ、また地域に根づく小規模な宗教活動相互の関係についても明らかにさせる。これら調査から興味深い研究成果を得ている。教団関係資料の収集に関しては、文化庁編『宗教年鑑』の資料の収集、整理、コンピュ-タ-への入力を行った。『宗教年鑑』は、昭和27年からほぼ毎年刊行されており、文化庁宗務課所轄の包括宗教法人、都道府県知事所轄の包括宗教法人、創価学会を初めとした一部の単立宗教のそれぞれについて、「宗教団体数」、「宗教法人数」、「教師数」、「信者数」が記載されている。これら434法人に関する上記のデ-タをすべてコンピュ-タ-に入力しデ-タベ-スを作成した。さらに、このデ-タベ-スを基に、40年にわたる教団の教勢の変化を把握するために、数値をグラフ化した。この作業によって教勢の変化を一望することが可能となった。また、映像資料の収集にも力を入れ、教団作成のビデオのリストアップを行い、千点にのぼるリストを作成し、デ-タベ-ス化した。