研究課題/領域番号 |
01300001
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
青田 昌秋 北海道大学, 低温科学研究所附属流氷研究施設, 教授 (40001664)
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研究分担者 |
関根 松夫 東京工業大学, 総理工, 助教授 (50016680)
林 正吾 東京商船大学, 商船学部, 助教授 (20016968)
小野 延雄 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (40001648)
白澤 邦男 北海道大学, 低温科学研究所附属流氷研究施設, 助手 (50196622)
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キーワード | 氷海域における熱輸送機構 / 氷海における運動量輸送 / オホ-ツク海 / 氷縁海 / 氷海の潜熱、顕熱輸送 / 氷海のウインド・ストレス / 氷海に及ぼす風の力 |
研究概要 |
氷海における海氷を通じての、大気-海洋間の熱、炭酸ガス、運動量の輸送機構の解明は、地球の環境保全、機構変動予測研究にとって重要である。 薄く流動的な氷縁海の海氷域での観測は困難なため、これらの観測資料は極めて少ない。 当研究施設では、オホ-ツク海沿岸の紋別港内に設置されている北大、流氷観測タワ-周辺海域を氷縁海のモデル海域と位置付け、氷海域の物理的素過程把握のための現場観測を行った。 観測項目は、(1)流氷到来、結氷前の開水面、(2)流氷期間中、(3)流氷退去后の開水面における、熱輸送量、運動量の輸送量、流氷力および氷上変化の連続観測である。 1989年冬の北海道沿岸の流氷勢力は例年に較べ著しく劣勢で、3月下旬観測タワ-周辺に到来したが、4月4日には離岸し去った。 約1週間という短期間であったが、結氷前の開水面から砕氷到来期さらに流氷退去后の開水面に至るまでの運動量、熱輸送量の連続観測に成功した。 この結果、典型的氷縁海であるオホ-ツク海で始めての顕熱の乱流輸送係数の算定を行うことができた。 熱輸送は顕熱の移動と同時に潜熱(水蒸気の移動によって輸送される熱量の移動によっても行われる。 1990年冬には、前年度の潜熱輸送量に加えて潜熱の輸送量観測、さらに、気候変動研究に重要な影響を及ぼすことが知られている炭酸ガスの輸送量と氷状の関係を研究するため、水蒸気-炭酸ガス変動計を備え観測中である。しかし当年度も流氷勢力は劣勢で現在(2月下旬)流氷到来を待っている状態である。
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