研究課題/領域番号 |
01300011
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高谷 秀正 京都大学, 工学部, 教授 (40022644)
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研究分担者 |
岩村 秀 東京大学, 理学部, 教授 (10011496)
鈴木 仁美 京都大学, 理学部, 教授 (50025342)
井畑 敏一 大阪大学, 教養部, 教授 (80029644)
石川 満夫 広島大学, 工学部, 教授 (20025985)
安藤 亘 筑波大学, 化学系, 教授 (30008429)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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キーワード | カルベン錯体 / カルベン / シリレン / ゲルミレン / アリ-ルカルベン / 分子軌道計算 / アルキルフルオロカルベノイド / アリルカルベン白金錯体 |
研究概要 |
金属に配位した新しいカルベンおよび類緑体と創出と合成への利用として、ニッケルのカルベン錯体を発生させる手法を確立し、この錯体がこれまで難しいとされてきた置換オレフィンのメタセシス反応の触媒として機能なることが見いだされた。また、ビシクロブタン誘導体の遷移金属錯体触媒による骨格異性化が、カルベン金属錯体を中間体として進むことを、白金のカルベン錯体を単離することにより証明した。パラジウムや2核ロジウムのカルベン錯体が合成され、構造を決定すると共に、反応性について詳しく検討した。さらに、チタンと酸素が安定な結合を生成することを利用して、フィッシャ-型カルベン錯体の新しい合成法が見いだされた。二原子価欠損型反応活性種およびその関連体の新規反応性の開拓とその化学的挙動について、ポリシランの光反応により二価のケイ素すなわちシリレンが発生する際、ケイ素置換シリレンの方がより発生しやすいことが見いだされた。さらに、2位にかさ高い置換基をもつジアゾフルオレンやジフアゾメタンを合成し光分解により発生なるカルベンの反応性を検討した結果、置換基による近接効果について新たな知見が得られた。二原子価欠損型形応活性種の電子状態と化学的挙動に関なる基礎的研究と機能性材料の合成への応用に関して、一重項カルベンの2重結合への付加反応について理論計算を行い、置換基の効果を統一的に理解できるに至った。さらにカルベンを高次に分子設計しミセルに組み込むことにより、カルベン反応の初期課程を分光化学的に観測した。また、ポリ(フェニルアセチレン)およびポリ(フェニルジアセチレン)のベンゼン環のどの位置にカルベンを導入すればスピン整列が起こるかを明らかにすることが出来、有機強磁性体の合成への展開の基礎的知見が得られた。 いずれも、 精力的で高度な研究成果が得られており、引き続き班員の活発す研究が行われている。
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