研究課題/領域番号 |
01301033
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研究機関 | 国際基督教大学 |
研究代表者 |
立川 明 国際基督教大学, 教養学部, 助教授 (70119056)
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研究分担者 |
伊藤 敏雄 皇学館大学, 文学部, 助教授 (40151518)
坂本 辰朗 創価大学, 教育学部, 助教授 (60153912)
浅沼 茂 名古屋大学, 教育学部, 助教授 (30184146)
竹市 良成 愛知学院大学, 教養部, 教授 (80102721)
市村 尚久 早稲田大学, 教育学部, 教授 (30063556)
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キーワード | アメリカ高等教育史 / 能力観 / オ-ナ-ズ・プログラム |
研究概要 |
平成2年度の研究実績を支える基礎的な活動のあらましを述べ、ついで主な知見を述べたい。研究計画にかかわる資料の収集については、分担者・協力者が各自行うと同時に、研究代表者が平成2年6ー7月のボストンでの研究セミナ-への参加、また同年10月のシカゴでの中西部教育史学会への参加の機会を利用して、特にスワスモア大学でのオ-ナ-ズ・プログラム関連の資料を中心に、雑誌論文・手紙・報告書等約150点あまりを収集し、補助者の協力を得て整理した。7月29日から30日にかけて武蔵野市において第3回の全体集会を開催し、分担者・協力者が5点の論文と2件の書評報告を発表し、相互に検討した。なお、たまたま来日していたアメリカで最も著名な教育史家の一人カ-ル・F・ケ-ゾル(ウィスコンシン大学)教授に、講演を通して全員で専門的知識の供与を受けた。12月8日から9日には三鷹において最後の全体集会を開催し、4件の研究発表と2件の書評発表を行なった。また、国際基督教大学のベン・C・デュ-ク教授から、アメリカのエリ-トの大学受験準備教育についての実地調査の結果を聞き、全員で検討した。 1.アメリカの高等教育に学力としての能力[観]が侵入する過程は、基本的には18世紀から19世紀にかけて起こった、性格・徳概念の変容として位置付けられること。 2.今日支配的な「抽象的な知的能力」としての能力観は、高等教育において大学院制度が確立し、Ph.D.論文の作成が必須となり、講義がrecitationに取って代わる過程において生まれていること。 3.20世紀前半のオ-ナ-ズ・プログラムは、単にアングロ・サクソン流の人格教育への強調ではなく、大学での教育と研究とを、特に小規模のカレジで、両立させる試みであったこと、が新しい知見に含まれる。
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