研究課題/領域番号 |
01304015
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
江口 正治 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (00027856)
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研究分担者 |
永田 昌男 東京大学, 農学部, 助教授 (70107407)
富野 士良 東京都立大学, 理学部, 教授 (30101075)
田村 俊樹 蚕糸, 昆虫農業技研究所・遺伝子工学研究室, 室長
古賀 克巳 九州大学, 農学部, 教授 (40038261)
伊藤 雅信 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助手 (60221082)
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キーワード | カイコ / 遺伝子 / アルカリ性ホスファタ-ゼ / アルドラ-ゼ / クチクラ蛋白 / プロテア-ゼインヒビタ- / フィブロイン / 不眠蚕 |
研究概要 |
カイコ中腸のアルカリ性ホスファタ-ゼの膜結合型アイソザイムのCーDNAの全塩基配列を決定し、推定されるアミノ酸配列を他の生物と比較した。また、その転写差物を遊離型のものと共に調べた。現在、両アイソザイムの遺伝子DNAの構造解析を進めている。一方、カイコ血液中に含まれる糸状菌プロテア-ゼ活性を抑えるインヒビタ-の中、最も重要なF型の精製法を確立し、54個の全アミノ酸配列を決定した。アルドラ-ゼについては、胚型(S型)、幼虫型(F型)の精製法を検討した。両型はカイコの全ライフサイクルを通じて存在し、S型は卵の解糖型代謝に対応し、F型は摂食と糖新生に機能すると考えられた。また、幼虫外皮蛋白(LCP)遺伝子のエクソン/イントロン構成及び全塩基配列を決定し、遺伝子上の転写開始点をヌクレオチドレルベで同定した。このLCP遺伝子は分子量12.800の外虫蛋白をコ-ドすることが明らかになった。さらに、別のcDNA クメンを得、両cDNAに対応するmRNAは発生に伴い、同調的な変動を示すことが判明した。野蚕フィブロイン遺伝子については、昨年度クロニングしたサクサンのフィブロインのcDNAの塩基配列を決定した。これにより推定されるアミノ酸配列を解析した結果、サクサンのフィブロインの1次構造には2つの基本単位があり、その構造はテンサンのものとかなりの相似性があった。また、遺伝子のコドン使用頻度には著しい偏りがみられ、ポリアラニンに対応する塩基配列との関係が示唆された。最後に、突念変異の光沢不眠蚕(nmーg)はエクジステロイド分泌系の異常によって若齢期に不眠状態がもたらされると考えられるが、その血液中の蛋白と遊離アミノ酸組成を2齢不眠蚕で調ベたところ。一部のアミノ酸について、正常蚕との間に差がみられた。蛋白質の電気泳動像にも特異なるものが検出された。
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