研究分担者 |
葛西 孫三郎 高知大学, 農学部, 助教授 (60152617)
笠井 憲雪 北海道大学, 医学部, 助教授 (60001947)
鍵山 直子 (財)実験動物中央研究所, 室長 (50124269)
半田 純雄 九州大学, 医学部, 助教授 (50037503)
森脇 和郎 国立遺伝学研究所, 細胞遺伝研究部門, 教授 (50000229)
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研究概要 |
前年度に行った国立大学医学部の動物実験施設の動物維持状況,情報機器の整備状況の分析結果を踏まえて,現状で対応できる微生物学的管理,遺伝学的管理のシステムについてパイロット的に希望の施設に於て実施しその成果を分析しすることを計画した。あわせてその結果をデ-タベ-ス化して利用するためのモデルシステムの作成を計画した。また,前年度より引続き系統維持の効率をよくおこない,施設間の動物の譲渡を容易にするため胚凍結,胚の輸送方法の検討をすすめた。その結果以下の成果が得られた。 微生物学的な管理方法としては鍵山班員の開発した微生物モニタリング・キットが利用可能であり,その使用によって各施設での管理状況が把握できることが証明された。 遺伝学的な管理方法については加藤班員が新たに開発した,簡易電気泳動キットが今まで遺伝学的な管理をおこなっていない施設でも適正に使用でき,遺伝的な品質の管理が可能である結果を得た。また,その結果は現在系統維持をおこなっている施設での遺伝的な管理はほぼ適正におこなわれていることを示唆するものであった。 情報については,各施設が現有しているどのパソコンでも作動するディスクによるデ-タベ-スの構築が可能であり,その利用についても問題のないことが判明した。 胚凍結については簡便で効率のよい方法が葛西班員らによって開発がすすめられ,胚の輸送については凍結しない方法が笠井班員らによって開発され,短距離輸送での実用性が証明された。その他,遺伝的な管理方法に分子遺伝学的手法を使うための基礎研究もすすめられた。また,飼料の質によってモデル形質の発現が大きく影響されるという飼育管理上,今後問題となる事実が明かとなった。
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