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1989 年度 実績報告書

金属原子を含む衝突系での光・衝突協奏過程の研究

研究課題

研究課題/領域番号 01420009
研究機関東北大学

研究代表者

佐藤 幸紀  東北大学, 科学計測研究所, 教授 (10006158)

研究分担者 上西 克二  東北大学, 科学計測研究所, 助手 (90006156)
上田 潔  東北大学, 科学計測研究所, 助手 (50151791)
キーワード衝突誘起吸収 / 対吸収過程
研究概要

本研究は、金属原子の気相中での衝突における様々の「光・衝突協奏過程」を観測し、この過程を支配する機構の詳細を明らかにすることと、原子間相互作用ポテンシャルや衝突誘起遷移双極子モ-メントなど、関連する物質の基礎特性に関する精確なデ-タを決定することを目的としている。平成元年度には次にような研究実績を得た。
(1)金属蒸気を光吸収セル内に長時間に亘って安定に発生させるヒ-トパイプ炉の製作・改良と、金属蒸気密度の精密決定を可能にする光干渉分散スペクトル法の開発を行い、これによって次の(2)(3)(4)に述べるいくつかの光・衝突協奏過程の断面積を絶対測定することが初めて可能となった。
(2)Srー希ガス(He、Ne、Ar、Kr、Xe)衝突およびSrーSr衝突によって、Sr:5sー4d禁制遷移の近傍に衝突誘起吸収帯が現われることを見出し、その吸収断面積の絶対値をそれぞれの衝突系について決定した。これらの吸収帯は、原子間の長距離分散力に基づくと考えられる吸収帯と短距離力によると思われる吸収帯からなる二重構造を有しており、両者の断面積の比は希ガスの種類に強く依存することを明らかにした。
(3)Srー希ガス衝突系において、Srの光学禁制リュドベリ状態が関与する多数の衝突誘起吸収帯を新たに観測した。これらの吸収帯の中心遷移波数は希ガスの種類に依存し、その依存の仕方は、低速電子の希ガスによる「散乱長」と極めて良い相関を有することが分かった。
(4)BaーBa衝突における一光子吸収の結果双方のBa原子が励起される過程(対吸収過程)を観測し、この過程の機構にも長距離力によるものと短距離力によるものとがあることを明らかにした。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] K.Ueda,E.Shigemasa,Y.Sato,A.Yagishita,T.Sasaki and T.Hayaishi: "Highーresolution timeーofーflight methods for studies on ionic fragmentation of molecules" Rev.Sci.Instrum.60. 2193-2196 (1989)

  • [文献書誌] K.Ueda,T.Komatsu,and Y.Sato: "Observation of collision-induced-dipole absorption bands in strontium-rare-gas mixtures.I.the 5s-4d bands" J.Chem.Phys.91. 4495-4498 (1989)

  • [文献書誌] K.Ueda,T.Komatsu,and Y.Sato: "Observation of collision-induced-dipole absorption bands in strontium-rare-gas mixtures.II.bands involing high-lying states" J.Chem.Phys.91. 4499-4503 (1989)

  • [文献書誌] T.Nagata,Y.Itoh,T.Hayaishi,Y.Itikawa,T.Koizumi,T.Matuo,Y.Sato,E.Shigemasa,A.yagishita,and M.Yoshino: "Multiple photoinization of Cs and Ba atoms due to creation of the 4d-hole states" J.Phys.B At.Mol,Opt.Phys.22. 3895-3880 (1989)

  • [文献書誌] K.Ueda,E.Shigemasa,Y.Sato,S.Nagaoka,I.Koyano and A.Yagishita: "Ionic fragmentation following the 3dーcore excitation of Sn(CH_3)_4 by soft Xーrays" Chem.Phys.Letters. 154. 357-362 (1989)

  • [文献書誌] Y.Sato,K.Ueda,A.Yagishita,T.Sasaki,T.Nagata,T.Hayaishi,M.Yoshino,T.Koizumi,and A.A.MaCdowell: "Ionic fragmentation of silane following the Lーshell excitation" Phys.Scr.41. (1990)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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