研究概要 |
並列Lispとその処理系に関して,次のような研究を行った。 [1]並列Lisp言語PaiLispの実現方式と処理系 昨年度までに設計および改良を行ってきた共有メモリ型並列LISP言語PaiLispの実現方式を与え,この実現方式をもとに並列計算機Alliant/FX80上での並列インタプリタを開発し,ベンチア-クプログラムによる性能評価実験を行った。PaiLispの主要構成要素の性能評価・オ-バ-ヘッドの測定を行い,PaiLispによる実行効率のよいプログラミングを行う知見を得た。 [2]PaiLisp処理系の応用と評価 PaiLispの人工知能および記号処理への応用という観点から ●導出原理による並列定理証明プログラム ●ペトリネットのための代数的操作システム の試作と評価実験を行った。また,その経験をもとにしてPaiLispの処理系の改良を行った。 [3]並列プロダクションシステム Reteアルゴリズムにもとづくプロダクションシステムを改良して並列マッチングおよび並列的ネット更新が行える並列プロダクションシステムのアルゴリズムを設計し,予備的評価を行った。次年度にPaiLispによる本格的な実現と評価を行う計画である。 [4]並列Lispの意味論 並列Lisp言語PaiLispの意味論を与えるために,σー計算という並列プロセス計算モデルを考案した。また,高階プロセス計算モデルCHOCSを用いて抽象チャンネルLISP言語ACLの形式的意味論を与えた。
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