研究課題/領域番号 |
01440035
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
斎藤 和雄 北海道大学, 医学部, 教授 (80000917)
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研究分担者 |
細川 敏幸 北海道大学, 医学部, 助手 (00157025)
斎藤 健 北海道大学, 医学部, 助手 (40153811)
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キーワード | 職場ストレス / 評価 / 都市交通騒音 / 中枢機構 |
研究概要 |
現代社会の生活関連ストレス,職場ストレスの実態を明らかにする目的で、第1にこれらストレスの把握法としてGHQ(General Health Questionnaire)、THI(Todai Health Index)、CESーD(Center for Epidemiologic Studies Depression Scale)などの調査法の適応妥当性を検討し、これを用いて某税務官庁職員のストレス評価を行った。第2に交通騒音を防音室内で再生暴露し、騒音ストレスの中枢神経系に与える影響機構を脳波およびカテコ-ルアミン代識物質の変動をもとに検討した。第3に大型デパ-トの若年および中高年女子勤務者の労働ストレスの状況、各種生理機能検査、尿中および血中の神経伝達物質としてカテコ-ルアミンの測定を行い検討した。第4に転職あるいは他社への出向社員および単身赴任者のストレスを不安測度調査法を用いて明らかにした。 その結果、(1)男子では20歳代は他の群に比して精神的・身体的症状の訴えが最も多く、心身症・神経症判別値も高かった。50歳代は身体的症状の訴えは少ないが、問題を抱える者の割合が最も多く、30歳代、40歳代は症状も少なく、安定した状態にあることが明らかとなった。また、家庭と職場のストレス感は抑うつ性、心身症、神経症の判別値と有意な相関を示した。(2)交通騒音は環境基準を超えると脳波ではアルファ波の減少で覚醒反応が持続し、カテコ-ルアミンの分泌に変動がみられた。(3)大型デパ-ト勤務女子のストレスは、中高年者より若年者に多くみられ、これには社会経済的要因、ライフスタイル、職場における身分や地位などが深く関与していることが明らかとなった。(4)転職や出向社員のストレスは不安ストレス、状態ストレスともに高く、作業内容の変化や適応までの期間がその要因として強く働き、単身赴任者では食生活を含めたライフスタイルがストレス要因として重要であることが明らかとなった。
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