研究課題/領域番号 |
01440035
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
斎藤 和雄 北海道大学, 医学部, 教授 (80000917)
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研究分担者 |
細川 敏幸 北海道大学, 医学部, 助手 (00157025)
齋藤 健 北海道大学, 医学部, 助手 (40153811)
神山 昭男 北海道大学, 医学部, 講師 (90215202)
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キーワード | ストレス / 精神保健 / 評価 / 音 / 労働衛生 / 学校保健 |
研究概要 |
現代社会におけるストレスの実態を明らかにする目的で、第一にGHQ(General Health Questionnaire)、THI(Tohdai Health Index)を用いて中学生のストレス評価を行った。第二に生理学的機能検査及び神経化学的方法を用いて、消防局勤務者のうち総合指令作業従事者の職場ストレスの実態を把握しようと試みた。第三に、精神作業及び運動負荷あるいは騒音と運動同時負荷時のストレス状態を、生理・生化学的手法を用いて検討した。第四に、大学勤務及び通学者の一週間のストレス状況を行動様式と尿中カテコ-ルアミン排泄量から検討した。その結果、 (1)中学生の精神的及び身体的自覚症状のうち、抑欝や不安を主とする精神症状に関する因子が最も大きく、これまで示されてきた成人集団の因子構造と異なることが明らかになった。中学生の日常緊張要因である不満や心配の最も大きな因子は、「家族や家庭生活」に関するものであり、次いで「学校生活」、「自分自身」、「現代社会」であった。 (2)総合指令作業従事者の自覚的ストレス感は指令作業と直接的な関連性を有しており、またストレス感の強さ、ストレスによる生理機能の変動には性格要因が大きく影響していることが明かとなった。 (3)ストレス負荷により脳波は変化し、その変動は精神作業負荷時と運動負荷時で異なることが明らかになった。運動作業単独負荷では心拍数、血圧、尿中ノルエピネフリン値が上昇した。またその変動は、好きな音楽、騒音などの音環境の種類により影響されることが明かとなった。 (4)大学勤務者及び通学者の勤務日における尿中カテコ-ルアミン排泄量は、休日と比較して上昇している者が多く、特に午後に上昇が著しかった。しかしながら、その変動は個人差が大きく、生活様式との関連が示唆された。
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