研究課題/領域番号 |
01450069
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
杉浦 博 東京大学, 教養学部, 教授 (80012334)
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研究分担者 |
中澤 英雄 東京大学, 教養学部, 助教授 (30012511)
池田 信雄 東京大学, 教養学部, 助教授 (40083290)
恒川 隆男 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (60022258)
杉橋 陽一 東京大学, 教養学部, 助教授 (50015278)
平子 義雄 東京大学, 教養学部, 教授 (90030387)
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キーワード | 日常的・私的文学 / 神話概念の転換 / 歴史概念の転換 / 新保守主義 / 「新主体性」文学 / 美的主体性 / ポストモダン / 歴史家論争 |
研究概要 |
われわれの研究グル-プは、いわゆるコンスタンツ学派と呼ばれるロ-ベルト・ヤウス、オ-ド・マルクヴァルト、ハンス・ブル-メンベルクなどに代表される新しい思想的リ-ダ-たちの、それ以前の流れに対する転轍機的な役割がいかなるものか、それをまず強調的に研究してきた。アドルノ、ホルクハイマ-、ベンヤミンなど、かれらからすると旧派の仕事ももちろん顧慮され、いろいろな角度から考察された。その過程のなかで聖書学者ですでに1987年物故したヤ-コプ・タウベスの仕事の意義も浮上してきた。コンスタンツ学派の内部で、ブル-メンブルクを渦巻の中心としながらかれらがたがいに影響を与えあう構造も、われわれ研究グル-プ内で報告したり討論したりするなかで明らかになってきた。 3年計画のわれわれの研究のさなか、1989年秋にはベルリンの壁が崩れ1991年暮れにはソ連まで消滅して、研究のキ-ワ-ドの一つに掲げてきた「歴史家論争」もふたたび現実味を帯びた。歴史的に実際に無効を証明されかのような社会主義ロシアにおけるスタ-リンは、そん蛮行においてヒトラ-と比肩する人間とされるという議論が蒸し返された。つまりこのキ-ワ-ドについても、蒐集した資料の枠組み自体がまだ動いており、本研究に従事したわれわれはここ数年、世界の激動とともにわれわれの枠組みの見直しをたびたび迫られた。こうした文脈のなかで旧DDR系の文学者たちの激動に関するドキュメントや発言も集められ、本研究の神話概念と歴史概念の変化に資料的に対応するよう努力された。 研究会も会を重ね、パソコンに機能的に集められた資料をもとにして討議が行なわれ、かくて最終的報告をまとめるよう個々のメンバ-はそれぞれ、自分の担当にしている以下のキ-ワ-ドのいくつかに従って作業に入っている。
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