研究課題/領域番号 |
01460193
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
金夛 潔 京都大学, 工学部, 教授 (60025830)
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研究分担者 |
吹田 啓一郎 京都大学, 工学部, 助手 (70206374)
西澤 英和 京都大学, 工学部, 助手 (70127116)
甲津 功夫 京都大学, 工学部, 助教授 (50026291)
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キーワード | 鋼構造 / 立体架構 / 振動台実験 / システム同定 / 2軸曲げ / 歪速度効果 / 弾塑性応答 / 耐震安全性 |
研究概要 |
本研究では、漸増崩壊型および極低サイクル破壊型という鋼構造架構の耐震安全性を評価する際に考慮すべき重要な2種の崩壊機構に着目しているが、本年度は、低層から高層に至るまでの建築物を想定して1次固有振動数が2、4、6Hzの3種の1層1スパン漸増崩壊型架構試験体を各2体、計6体製作し、振動台を用いてそれぞれに一方向および二方向地震波外乱を与える動的破壊実験を行った。これらの試験体はいずれも典型的な弱柱強梁型立体架構であり、不可避の立体ねじれ振動に伴う崩壊を再現し、加速度応答をならびに柱部材の歪応答を記録した。また、極低サイクル疲労破壊型試験体2体については試験体の設計を終わり、現在、実験準備中である。 漸増崩壊型架構による実験では、架構の基本振動特性により応答は異なるものの、柱部材の最大応力発生点において塑性歪が累積される場合、特に立体ねじれ振動を伴う場合には、架構全体の崩壊につながる極めて危険な破壊性状を示すことが実験で観察された。また、二方向地震波外乱を受けた試験体では、一方向地震波外乱を受けた場合よりも相当低い入力地震レベルで架構が崩壊することが確認され、架構の設計において二方向同時に地震力を受ける場合を考慮に入れることの重要性が明らかとなった。 今後、これらの実験から得たデ-タを基に、歪速度効果を含む復元力ならびに時間および変位履歴依存を考慮した減衰力をシステム同定手法によりモデル化する予定である。
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