研究課題/領域番号 |
01460233
|
研究機関 | 東京水産大学 |
研究代表者 |
有元 貴文 東京水産大学, 水産学部海洋生産学科, 教授 (20106751)
|
研究分担者 |
鈴木 健 東京水産大学, 水産学部食品生産学科, 助教授 (90100966)
福田 頴穂 東京水産大学, 水産学部資源育成学科, 助教授 (60199239)
岡本 信明 東京水産大学, 水産学部資源育成学科, 助教授 (40114912)
斉藤 清隆 東京水産大学, 水産学部海洋生産学科, 助手 (30111686)
|
キーワード | 中層トロ-ル / 漁獲過程 / 漁具計測 / 漁具設計 / 視覚生理 / 電気生理 / 遊泳行動 / 運動生理 |
研究概要 |
中層トロ-ル漁法は二百海里時代の漁獲技術として世界的に注目を集め、また急速な技術革新の進んでいる分野である。本研究は中層トロ-ル漁法の漁獲過程を明らかにすることを目的とし、研究組織として漁具計測、漁具設計、魚類生理、魚群行動並びに生化学といった各研究分野からの知識と技術を集積し、総合的な研究を進めてきた。本年度は研究期間の第2年度目として、昨年の研究結果をもとに特に対象魚の視覚生理に関する分野の実験を中心的に実施してきた。すなわち、本学実験室及び坂田実験実習場における基礎実験と、実際の中層トロ-ル対象魚を実験魚として用いた北海道稚内における実験の2つに分けられる。先ず、基礎実験としてはブル-ギルを用いて色彩弁別学習の行動実験から赤色と緑色の弁別可能照度を求め、さらにその照度条件下における網膜の順応状態を組織学的に検討し、0.01Lux以下で網膜が暗順応し、色覚を失うことを明らかにした。また、マアジについて網膜活動電位(ERG)による視覚機能の検討を行い、光刺激の条件によるERGの波形の違い、及びストロボ光により閃光融合頻度を求め、運動視覚特性を考察した。電気生理学的研究手法を実際のトロ-ル漁法対象魚に適用するため、ホッケ、カレイ類を実験魚として閃光融合頻度と分光感度特性の検討を行った。また、暗順応した網膜の感度特性が明順応時に比べてはるかに高いことから、トロ-ル漁獲水深における環境照度によって視覚機能が異なり、漁獲過程に影響を及ぼすことを明らかにした。ホッケ、カレイ類については魚体長と体温別の筋収縮時間の測定も実施し、平成元年度のトロ-ル船上での漁獲物を用いた筋肉生理実験の結果と比較検討し、安静時と疲労時の筋肉の運動特性として考察する。この基礎実験としては、本学実験室においてウグイの遊泳能力を水温別に検討するため、回流水槽を用いて流速別遊泳耐久時間の測定も実施した。
|