研究概要 |
1.昨年度のクルクリンの精製法はCM-セファロ-スカラムクロマトグラフィ-の後に、ゲルろ過カラムによるHPLCを用いたため、大量の試料の調製には不都合であった。そのため、本年度はHPLCを用いないセファデックスG-100による精製法を検討し、効率のよい方法を確率した。この結果、これまでと比べて3倍の収率でクルクリンを得ることができるようになった。 2.得られた精製クルクリンを用いてアミノ酸配列順序の決定を行った。まづ、S-カルボキシアミドメチル化したクルクリンを用いてN-末端から20番目までのアミノ酸配列を自動アミノ酸シ-クエンサ-により決定した。次に、lysyl endopeptidase,TLCK-chymotrysin,V8-protease等を用いて、クルクリン分子の切断を行った。生成したペプチドをHPLCで分画し、各ペプチドをアミノ酸シ-クエンサ-にかけた。その結果、クルクリンは114箇のアミノ酸からなる一本鎖のポリペプチドであることが決定された。 3.クルクリンの分子量はSDS-PAGEによると12,000である。一方、光散乱法で求めた分子量は27,000となる。それ故、クルクリンは2量体で存在していることが明らかになった。 4.本大学平塚農場ではCuruculigo latifolia が順調に育っている。土壌のpHが実をつけるための重要な鍵であることがわかった。平塚農場産の実は現地(マレ-シア)のものより大きく且つ活性が強く、本研究を進めるにあたって大変有利である。
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