研究課題/領域番号 |
01480316
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
藤野 豊美 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (20051279)
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研究分担者 |
今西 宣晶 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00184820)
栗原 卓也 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90186510)
瀬川 薫 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (30114523)
高野 利也 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (60051364)
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キーワード | 創傷治癒 / ヒトニ倍体細胞 / トランスフォ-メ-ション / SV40 largeT抗原 / 細胞不死化 / 染色体異常 / 細胞増殖速度 / ケロイド |
研究概要 |
創傷治癒における細胞の異常な増殖反応のin vitroモデル実験系として、ヒトニ倍体細胞MRCー5を用いた。本細胞に、まずSV40のlargeT抗原遺伝子を導入して、46クロ-ンのトランスフォ-ム細胞クロ-ンが得られた。得られたトランスフォ-ム細胞クロ-ンの軟寒天中で増殖速度は、その細胞クロ-ンにおけるSV40largeT抗原の発現量と相関した。しかし、トランスフォ-ム細胞の増殖は、いずれも、継代数55前後でcrisisに入り、そのlife spanは正常に保たれていた。さらに、上記トランスフォ-ム細胞クロ-ンのうち、一つのクロ-ンでlife spanの異常をきたした不死化細胞が出現し、その不死化細胞クロ-ンでは第5染色体長腕先端部の欠失と第10染色体の脱落が認められ、単クロ-ン性に不死化細胞が出現したことを示した。不死化細胞クロ-ン分離の再現実験を行なったところ、やはり上記の染色体異常が認められたので、細胞不死化現象は、第5あるいは第10染色体上の未知な遺伝子の機能の欠損によって生じる可能性が示唆された。以上の結果について創傷治癒における細胞の異常な増殖との関係を考察したところ、創傷治癒における細胞の異常は、上記モデル実験における細胞のトランスフォ-メ-ションに相当する機序以外にも、染色体異常に起因するような体細胞変異による機序も考えられた。すなわち、創傷治癒の機転となる各種細胞増殖因子による正常な範囲の細胞増殖を越えた、ケロイドなどの難治性の増殖反応では、その病的細胞に遺伝子レベルの変化が起こって起因する可能性が示唆された。
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