研究課題/領域番号 |
01480401
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
井上 正人 東海大学, 医学部・産婦人科, 助教授 (60102836)
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研究分担者 |
淡路 英雄 東海大学, 医学部・産婦人科, 助手 (20184301)
本田 育子 東海大学, 医学部・産婦人科, 講師 (60147139)
小林 善宗 東海大学, 医学部・産婦人科, 講師 (90162031)
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キーワード | 不妊娠 / IVFーET / GIFT / IVFーETR / Micromanipulation / ZSPT |
研究概要 |
(1)IVFーETの成績:平成元年度々256例の不妊患者に計319回のIVFーETを行い、99例が104回妊娠した。対患者および付移植周期の妊娠率はそれぞれ38.7%、32.6%であった。昭和62年度(25%)、昭和63年度(27.4%)に比べてIVFの予後はかなり改善したが、これはGnRHaを併用した過排卵法の導入によるものではないかと思われる。なお適応別による妊娠率にはほとんど差は認められなかった。 (2)GIFの予後と精子受精能力の関係:昨年まで187例の不妊患者に計244回のGIFTを施行し、49例(20.1%)が妊娠した。ZSPT正常・中間群(>30%)の妊娠率が23.3%(45/193)なのに対し、異常群(≦30%)のそれはわずか7.8%(4/51)であった(P<0.025)。この傾向は精液検査所見に関係なく認められた。GIFTの予後を左右する最大の因子は精子の受精能力であることが明らかになった。 (3)Micromanipulationの成績:IVFで受精しなかったヒト卵子を用いてmicromanipulationを行った。透明帯開孔術では酸性溶液(PH2.2)を用いる方法(Drilling)とmicropipettenによる串刺法を比較した。受精率はそれぞれ24.8%(26/105)、44.4%(79/178)で串刺法の方が良好であった。また多精子受精はDrillingの方が34.6%(9/26)と串刺法の5.1%(4/79)に比べてはるかに高率であった。ヒトの透明帯開孔術にはDrilling法は不適切と思われる。囲卵腔内精子注入では、75個の卵子中63個(84%)が生存し、このうち29個(46%)が受精した。注入精子数は平均2.8個(1〜10)で、多精子受精は14個(48.3%)に認められた。卵子内精子注入では、24個の卵子中15個(62.5%)が生存し、うち5個(33.3%)が受精した。
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