研究課題/領域番号 |
01480493
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
加藤 敬太郎 九州大学, 薬学部, 教授 (70037571)
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研究分担者 |
姫野 勝 九州大学, 薬学部, 助教授 (50037602)
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キーワード | リソゾ-ム膜タンパク質 / M-6-P受容1本 / 酸性フォスファタ-ゼ / cDNAクロ-ニング / エンドゾ-ム / 形質膜 / リソゾ-ム |
研究概要 |
ラット肝リソソ-ム膜に存在する分子量107Kの糖タンパク質(LGP107)の細胞内動態を検討した。LGP107の特異的抗体よりFabを調製し、peroxidase(HRP)と共有結合した複合体を作成した。肝細胞を固定した後に、細胞内におけるLGP107の局在を免疫電顕で検討すると、Fab-HRP複合体はcoated pit、endosome、lysosomeに検出された。この複合体を細胞内に取り込ませて経時的に免疫電顕で観察すると、散り込み直後ではcoated pitとearly endosomeのみが染色され、時間の経過と共にlate endosomeとlysosomeが染色ざれた。これらの結果から、LGP107はplasma membraneとlysosome間をendosomeを介してrecycleしており、LGP107の主なる存在場所はlysosomeで有ることが明らかになった。 リソソ-ム膜糖タンパク質である酸性フォスファタ-ゼが可溶性リソソ-ム加水分解酵素と異なり、M-6-Pの受容体に依らない全く異なった機構でリソソ-ムへ移行することを明らかにした。そこでリソソ-ム膜タンパク質が選別輸送されるためのsorting signalはタンパク質部分にあると考えて、酸性フォスファタ-ゼ、LGP107およびLGP96のcDNAをクロ-ニングした。それぞれは423、407、411個のアミノ酸から構成されていた。膜にanchorされていると考えられる疎水性の高い部分は何れもC末端側にあり、それぞれ27、24、24個のアミノ酸よりなり、これらの一次構造には75%以上の相同性が認められた。また、リソソ-ム膜を突き抜けて細胞質側に存在すると考えられるcytosolic domainにおいても三者の間には50%以上の相同性が見られたので、これらリソソ-ム膜糖タンパク質のC末端側がリソソ-ムへのtargetingに必要なsignal sequenceである可能性が高いことが推察された。
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