研究課題/領域番号 |
01550268
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
元石 浩二 九州大学, 工学部, 助教授 (00038118)
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研究分担者 |
栖原 淑郎 九州大学, 工学部, 助手 (80187799)
香田 徹 九州大学, 工学部, 助教授 (20038102)
西 哲生 九州大学, 工学部, 教授 (40037908)
古賀 利郎 九州大学, 工学部, 教授 (00037706)
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キーワード | デ-タ圧縮 / 誤り訂正 / 離散コサイン変換 / インパルス除法 / アナログDCT符号 |
研究概要 |
従来、情報圧縮はアナログ領域において、また伝送品質を保つための誤り制御はディジタル領域で行われており、両者の間に共通の基盤がなく、これらを統一的に取り扱うことができないという恨みがあった。 本研究では、アナログ領域において誤り制御を行い得るアナログ符号に基礎をおき、情報の圧縮と誤り制御、言い換えれば、冗長性の制御を統一的に取り扱う方法を提案するとともに、その際に生じる問題点の明確化及びその解決法を探ることを目的とする。昨年度は、デ-タ圧縮と誤り訂正を同時に行い得るDCTアナログ符号の原理を提出し、その誤り訂正能力を明らかにした。本年度はこれを基に、ガウス性雑音の存在下におけるDCTアナログ符号の復号に関して研究を行い、次のような結果を得た。 1.バ-レカンプ・マッシィのアルゴリズムやユクリッド互除法のアルゴリズムをそのまま適用した場合、ガウス性雑音の影響を受け易く、何らかの雑音軽減法が必要なことが明らかになった。 2.ガウス性雑音の影響を軽減するために、共分散法と多数決復号法を比較・検討した。直交ベクトルを用いた多数決復号法は符号長が短い場合にもうまく復号できることが分かった。反面、多数決復号法には符号長が長くなるにつれて直交ベクトルの数が急速に増大するという欠点がある。 3.ガウス性雑音の重畳に起因する誤り位置・個数の推定に関する困難さは本質的なものである。誤り個数が不確かなときは、誤り個数を実際より多めに推定したほうが総合的にみて、誤り訂正利得が高くなることが分かった。 今後の研究の課題の一つとして、多数決復号法における直交ベクトルの削減を計ることがあげられる。
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